正念場の沖縄国際貨物ハブ 県のテコ入れが急務
- 2020/11/7
- 経済
パイロットや貨物専用機材は成田に集約され、いま沖縄発の国際貨物はいったん羽田に運ばれ、トラックで成田に運び、そこからアジア各都市に輸送されている(バンコクには羽田から旅客便で輸送)。
LCCピーチの活用も
では、沖縄ハブは今後、どうなるのか。
ANAカーゴの渡辺英俊沖縄統括支店長は、「ちゃぶ台をひっくり返すことはない。”ハブ”はしっかり続けていく」と話すが、沖縄県によれば、「事業体制の見直しについて現在、ANAと協議中」ということだ。
折しも今月1日、ANA傘下のLCC(格安航空会社)、ピーチ・アビエーションが貨物事業に参入した。第1便は福岡発、那覇行きの便となり、福岡空港では「ベリー」と言われる旅客便の貨物スペースに生鮮食品や生活雑貨が次々と積み込まれていた。その量は最大1トンにも満たないが、それでも、貴重な貨物スペースであることに変わりはない。
沖縄発着の国際貨物が羽田を経由してトラックで成田まで運ばれていることを考えると、成田拠点のピーチを沖縄ハブで活用するのかもしれない。
ただ、冒頭のANA幹部が言うように、いまのままでは沖縄ハブに未来はないだろう。県は国としっかり連携して、企業誘致に取り組まなければならない。