4か月ぶりに上方修正 日銀那覇支店、11月県内景況

 
11月の県内金融経済概況を発表する日銀那覇支店の桑原康二支店長=11日、那覇市の日本銀行那覇支店

 日本銀行那覇支店(桑原康二支店長)は11日、11月の県内金融経済概況を発表した。足もとの県内景気について、これまでの「新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況が続いている」との判断に「一部に回復の動きがみられるが」との文言を加え、景況判断を4カ月ぶりに上方修正した。

 桑原支店長は、外需(観光)については「10月からGoToトラベルに東京が追加された効果が明確に出ている」と述べたほか、先行きについてもGoToの期間延長が検討されていることを踏まえて「かなり期待は高い」とした。また、企業への聞き取りでは「今の上向き基調が続くことを期待しているとの声が多い」と現状を説明した。

 一方、今後の懸念材料としては▽新型コロナウイルス感染症の動向▽GoToトラベルキャンペーンの終了後の反動減-の2点を指摘。その上で、新型コロナの第1波、第2波時の傾向について「沖縄への観光客が増えると、感染者も増え、医療体制が逼迫(ひっぱく)する。最終的には緊急事態宣言を出さざるを得なくなり、結局は観光客が来なくなるというパターンを繰り返しているので、同じことを繰り返さないことが肝要だ」と強調した。

 対策については、市中での感染防止対策は官民で対策が進んでいると評価した上で、空港での水際対策については「従来のまま」と指摘して、行政に対して「優先順位付けとスピード感がより求められている」との見解を示した。

 また、内需(県内消費)については、昨年9月は消費税率引き上げ前の駆け込み需要があったとして、今回は反動減で実態よりマイナス幅が大きく出ているとしながらも「消費の大本である雇用や所得が引き続き悪化しつつあるということで、全般的に芳しくない状況」と説明した。

 全体感として、桑原支店長は「外需の観光が回復してこないと、県民の雇用と所得も戻りにくい。県民の所得と雇用が戻りにくいと、その分、内需の回復度合いも鈍くなってくると分析している」と述べた。

 今年9月の個人消費は、全店舗ベースで百貨店・スーパー販売額が前年同月比11.8%減と3カ月連続のマイナスとなり、ドラッグストアも同16.9%減で前月からマイナス幅が拡大した。自動車登録台数は同5.6%減で、同0.6%増だった前月からマイナスに転じた。

 雇用・所得情勢(9月)では、有効求人倍率は前月から0.03ポイント低下の0.64倍、完全失業率(季調済)は前月から0.06ポイント低下の3.45%だった。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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