沖縄の景況「持ち直している」 日銀那覇3カ月ぶり引き上げ
- 2022/7/9
- 経済
日本銀行那覇支店(飯島浩太支店長)は8日、2022年7月の県内金融経済概況(主要指標は5月)を発表した。県内景況判断を「厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる」から「厳しい状況にあるが、持ち直している」と引き上げた。判断の引き上げは4月以来3カ月ぶり。また、個別項目で観光と設備投資の判断も引き上げた。その他の判断は維持した。
飯島支店長は、景況判断を引き上げた理由について、春以降、沖縄を訪れる観光客数、県民の外出頻度はいずれも増加傾向にあり、経済活動の持ち直しが続いていることを挙げ、「先月の判断から一歩前進させて『持ち直している』とすることが適当と判断した」と説明した。
各項目別では、観光について、主要ホテルの客室稼働率が3月以降40%台が続いていることや、6月速報値が53.5%まで上昇し、新型コロナウイルスの感染拡大以降ピークとなったことを踏まえ、前月の「厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる」から「厳しい状況にあるが、持ち直している」と判断を引き上げた。
飯島支店長は国内客の動向について、もともと海外に行っていた国内客が沖縄に来ているという押し上げ効果もあると指摘。その上で、「特に団体の修学旅行は、まだまだ慎重という声を聞いている。どういうペースで戻るかがポイントになる」と述べた。
設備投資は、6月の短観で県内企業の設備投資について、21年度に続き22年度も前期から増加するという計画が示されていることや、非居住用の着工建築物床面積が、振れはあるものの、下げ止まり感が強まってきたという2点を挙げ、「下げ止まりつつある」との判断を「下げ止まっている」へ上方修正した。
先行きの判断は維持したが、表現は「厳しい状況が続くものの、感染症の影響が和らいでいけば、持ち直していくとみられる」から「感染症の影響による下押し圧力が和らぐもとで、持ち直しが続くとみられる」に変更した。
飯島支店長は、先行きについて、県経済に大きな影響を与えている新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて、「波を繰り返しながらも、感染の抑制と経済活動の両立が進んでいく下で、県内経済は持ち直しが続くとみている」との見解を示した。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)