沖縄の企業DI、7期連続プラス 日銀那覇3月短観
- 2024/4/11
- 経済
日本銀行那覇支店(小島亮太支店長)はこのほど、2024年3月の県内企業短期経済観測調査(短観)を発表した。県内企業の景気判断を示す業況判断指数(DI)は、「全産業」で前回調査(23年12月)に比べ7㌽悪化のプラス35となった。22年3月調査以降、2年ぶりに低下したが、同年9月調査から7期連続してプラスとなった。
今回、業況が悪化した業種は「宿泊・飲食サービス」「物品賃貸」など。「宿泊・飲食サービス」では、全国旅行支援が終了し沖縄旅行への割高感が高まり、リゾートホテルを中心に稼働率が低下している。
また、「物品賃貸」ではレンタカーの供給が増加したことによる需要変化などから、高額となっていたレンタカーリース料金が下落するなど、観光業においてそれぞれ業況が悪化した様子がみられた。
業況が改善した業種は「製造業」や「建設」などで、同支店は公共投資を中心に建設投資の強さが共通しているとした。
仕入れ価格判断DI(「上昇」ー「下落」)は、「全産業」で前回調査と同じプラス55で横ばい。22年12月調査にプラス64を記録した後は、落ち着いた水準が続いている。先行きもプラス56で、おおむね同水準で推移する見通し。
一方、販売価格判断DI(同)は2㌽改善し、プラス33の上昇超となった。
小島支店長は「賃金上昇分を販売価格に転嫁することを対外的に公表する動きが見られている」と説明。各業界が人手不足となり①従業員を確保して商品やサービスを提供するために賃上げをする②その賃上げのために価格を上げる③その事情を顧客などに対し、公表するーなどの新しい動きが出ているという。
このことについて、小島支店長は「賃金と物価の好循環の実現を目指す日銀にとって非常に心強い動きだ」と評価した。
同支店の短観は、県内企業142社(製造業25社、非製造業117社)を対象として3カ月ごとに景況を聞き、景気が「良い」と回答した企業の割合から、「悪い」と回答した企業の割合を引いた指数。
今回から調査対象企業の見直しを行い、改めて集計した23年12月調査と比較した結果を発表した。調査期間は2月27日~3月29日で、回答率は98.6%。