平和的解決求める 中国軍事演習で沖縄県議会

 
中国の弾道ミサイル発射に対する抗議決議を全会一致で可決した沖縄県議会臨時会=9日、那覇市

 沖縄県議会(赤嶺昇議長)は9日の臨時会で、米国のペロシ下院議長が台湾を訪問後に中国が軍事演習で弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)には5発が落下したことなどについて「沖縄近海で軍事演習は一切実施しないよう強く要求するとともに、平和的な話し合い、外交交渉で解決するよう強く要求する」との抗議決議を全会一致で可決した。

 ペロシ下院議長は、アジア歴訪の過程で、中国政府から強い警告を受けながらも、2日夜から3日にかけて台湾を訪れて蔡英文総統らと会談した。「訪問は、活力ある台湾の民主主義を支持する米国の揺るぎない関与を示すもの」との声明も発表した。

 これに対し、中国政府は強く反発。4日から、台湾を取り囲むように広い領域で大規模な軍事演習を行っている。

 県議会の抗議決議では、「日本のEEZ内に中国の人民解放軍の弾道ミサイルが落下したのは初めて。日本領土に最も近かったのは、EEZ外ではあるが与那国島の北北西約80キロだった」とした。

 また、「軍事演習海域から波照間島までは、わずか60キロしか離れていないとみられ、県民をはじめ国民に大きな衝撃を与えると同時に、漁業従事者が漁の自粛を余儀なくされ、経済活動にも大きな影響を及ぼしている」とした上で、平和的解決を訴えた。

 同決議の宛先は、中華人民共和国国家主席及び中華人民共和国駐日本国特命全権大使。同日、県議会は▽沖縄近海で軍事演習を行わないよう中国に要請すること▽中国と米国に対し、軍事衝突を避け冷静な平和的交渉で問題の解決を図るよう要請することーを日本政府内閣総理大臣などに求める意見書も全会一致で可決した。

(記事・写真 宮古毎日新聞)


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