新世代、世界のウチナーンチュ 10)在サンパウロ2世・嶺井フラビオさん

 

 行政や民間が強化に取り組む「世界のウチナーネットワーク」。海外に飛び立った多くのウチナーンチュとどのように協力し発展していくべきか、沖縄県のベトナム、シンガポール委託駐在員を歴任した遠山光一郎さんが世界各地のウチナーンチュを紹介していきます。


イタリア系の名前を持つ理由

 ブラジル最大の経済都市・サンパウロで暮らすウチナー県系2世の嶺井フラビオさん。現在、マーケティングコンサルタントとしてのお仕事の他にもブラジル県人会や、特にWUB(ワールドワイド・ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション)でも貴重な役割を務め、世界のウチナーンチュ同士のビジネスネットワーク作りに貢献されている。今回の取材時はコロナ禍で大変な時に受けてもらい、とても感謝している。

 お父様は南城市出身(小さいときにブラジルに移民)お母様はブラジル日系人(和歌山出身のおじい様)。フラビオという名前はイタリアの名前だそう。ブラジルでなぜ?と思ったが「母の出身地がイタリア系が多い地域に近く、その流れでイタリア名がつけられた。弟にはフランス名がつけられている。人種の交わりが自然に進むブラジルでは普通の事」と教えてもらえた。多民族の国、アメリカでさえ、チャイナタウンやイタリア街など人種間はそこまで深く交わらないが、ブラジルでは人種問わずに結婚なども含めて気軽に交われる土壌があるという。

世界20か国以上で培った英語力

 今回の取材で、母国語がポルトガル語のブラジルにおいて嶺井さんが高い英語力を持つことに驚かされた。これまでに世界20か国以上を留学や旅行で訪れ、英語力を鍛えた。半年間、ロンドンで語学交換留学の経験もあり「コスモポリタンシティのロンドンでは英語ができないと誰も助けてくれないので、何が何でも自分で英語を話す努力をしないといけなかったことはよかった」という。私もロンドンやニューヨークにあこがれており、嶺井さんの経験に少し嫉妬し羨ましいと話した。「ロンドンに行くことは夢の一つであった。文化としてのサッカーも好き」と話してくれた。サッカーの部分に反応し「ブラジル人だから好きなんですよね?」との問いには「ブラジル人だからと言って、それはすごくステレオタイプの反応である」と軽くいなされた。

 嶺井さんの人生で大切なことは旅行だという。今後も更にもっと多くの国を訪れたいと話すのは「旅行するたびに新しい学びや発見があり、様々な文化にも触れることができる。環境を変えることで自分自身の発見をすることもある」と、成長やひらめきを毎回実感できるからだ。この感覚は、世界に広がるウチナーンチュだからこそ必要なことだろう。

ハワイ留学で気づかされたこととは

ハワイにて

 帰国した嶺井さんはブラジルのチョコレート会社のマーケティングマネージャーとして働いていたが、満足していなかった。知識のアップグレードのため、自分自身に投資する決意をし海外のMBA中心にコースを探していた。その時にWUBブラジル会長と出会い、WUBが提供するハワイ大学マノア校内にある研究機関「東西センター」への奨学金の挑戦を勧められる。当時、奨学金を受けるための審査には3年間、誰も合格できていなかった。2018年、見事合格し東西センターアジア太平洋リーダーシッププログラムで学ぶことになる。プログラムにはベトナム、シンガポール、ニュージーランド、日本、中国などアジア太平洋全域から学生が参加していた。ハワイでは学業以外にも県人会活動に参加した。ホノルルはシティとしてはサンパウロより小さいし、県人会規模もサンパウロと比較して小さかったが、そのつながりの強さに感銘を受けた。県人会主催の沖縄フェスティバルはハワイにおいても大きなフェスティバルの一つであることや、多くの県系人が政治家やビジネスマンとして高い位置にいる状況を見て、更に県人会やWUBの活動等に魅力を感じていく。

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