海外出身の琉球舞踊家が活躍 ことし師範や教師が続々誕生!
- 2022/7/16
- 国際
今年に入って、琉球舞踊玉城流冠千会(かんせんかい)に、新たに会主1名、師範4人、教師7人が誕生した。琉球舞踊の世界において、20年経っても師範になれない人もいるほど難関といわれている中、冠千会から、言葉や習慣の違いを乗り越え、米国やアルゼンチンなど海外の舞踊家が免許を取得した。海外の舞踊家の活躍は、まさに沖縄の古典芸能が世界中で普及している証。芸の取得に情熱を傾ける姿は県内芸能家の刺激にもなっている。
琉球舞踊玉城流冠千会、流派が海外に広がる
琉球舞踊玉城流冠千会は、初代家元の池原シズさんが30年前に創立。現在は、仲嶺みどりさん(71)が2代目家元を務めている。
同会は、家元の道場を沖縄県うるま市石川に、支部を那覇市、大阪府、米国カリフォルニア州に構え、今や海外に流派が広がっている。
米国出身のジョーンズさん、言葉の壁乗り越え「師範」に
新たに会主となった与那嶺恵子さんは、米国カリフォルニア州サンディエゴ在住だ。40年以上の芸歴で、弟子に琉球古典芸能コンクールの最高賞や優秀賞の合格者もいる。
その与那嶺恵子琉舞道場の門下生であり、師範となったのは、米国人の父と旧与那城村・浜比嘉島出身の母の間にミシガン州で生まれ、6歳ごろから琉舞を習ってきた西門ジョーンズ・ジョセフ(35)さんだ。
15歳の時に琉球古典芸能コンクールで「新人賞」、18歳の時に「優秀賞」を受賞。その後、 大学で国際ビジネスを学ぶ傍ら稽古に打ち込み、21歳の時に2ヶ月間沖縄で特訓した末に「最高賞」を初挑戦で取得。「いつか与那嶺先生の跡を継ぎ、アメリカの若い人たちに琉舞の素晴らしさを伝えていきたい」と夢に向かって芸道をひたむきに歩んできた。
日本語も堪能で、師範免許の取得を「今まで僕の師匠が作ってくれた道を歩んで、若い人達に琉球の芸能の歴史や心を披露したいと思います」と話した。