海外出身の琉球舞踊家が活躍 ことし師範や教師が続々誕生!
- 2022/7/16
- 国際
アルゼンチン出身のフェルナンドさん「教師」に 腕を磨いて母国へ
教師となった比嘉フェルナンドさん(31)は、アルゼンチン出身の県系3世。祖父母が沖縄からアルゼンチンに移民し、父方が中城村、母方がうるま市勝連町にルーツを持つ。
舞踊家への道を歩み出したのは、9歳の時。お父さんの叔母の85歳の「トゥシビー祝い」で、一曲踊るために練習を始めたのがきっかけで道場に入門。芸能活動がはじまった。
県人会で働く両親の影響で週末は県人会へ行くことが多く、子どもの頃から、県人会の催し物や沖縄県系人のトゥシビーなどのお祝い事、祭りで芸を披露してきた。
転機が訪れたのは、23歳の時だ。琉球古典芸能コンクールの新人賞を受けるためにアルゼンチンから来沖、「新人賞」を受賞した。「当初は、沖縄で長く琉球舞踊を習う予定ではなかったが、琉舞の魅力に惹かれて本格的にのめり込んでいった」といい、その後、沖縄に移住し、26歳の時に「優秀賞」、29歳の時に「最高賞」を受賞した。
教師免許を取得後、「長年琉舞をしていて、舞踊家としてのひとつの目標が免許取得だった。努力のおかげで取得できた。嬉しいです!」と微笑んだ。
「沖縄でもアルゼンチンでも次世代に琉舞の魅力を継承できたらと思う。目標と夢は、アルゼンチンで教師授与のお披露目会か故郷公演。アルゼンチンだけでなく、海外をまわって沖縄の芸の文化、舞の魅力を世界中に届けたい。沖縄と海外の架け橋になれたらと」と意気込みを語った。
世界に広がる流派、県内芸能家の刺激に
沖縄の地で生まれ、沖縄の風土の中で育まれてきた琉球舞踊だが、海外の舞踊家の活躍は、まさに沖縄の古典芸能が世界中で普及している証だ。言葉や習慣の違いを乗り越え、日々、芸の取得に情熱を傾ける姿は県内芸能家の刺激にもなっている。
仲嶺みどり2代目家元は、免許授与式の際「流派が世界に広がり、初代家元に孝行ができたと思う。これからも流派の輪を広げてほしい」とさらなる精進に期待を寄せた。