沖縄県の玉城デニー知事は16日、県庁で定例会見を開いた。尖閣諸島周辺の日本領空で中国海警局の艦船が自衛隊機に退去するよう警告を始めたことについて、「県は尖閣諸島を巡る問題がエスカレートし、不測の事態が生じることにならないよう、日中両政府に対し平和的・安定的な信頼関係の構築を、引き続き求めていきたい」と従来の見解を改めて示した。
中国海警局の艦船は1月から、自衛隊機に対し同諸島周辺の日本領空から退去するよう警告を始めているという。
玉城知事は「日本政府は断じて受け入れられないとして、外交ルートを通じて反論している」と説明した。
また、「日本政府は、尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配しており、尖閣諸島を巡り解決すべき領有権の問題は存在しないという立場。県は、日本政府の見解を支持すると繰り返し述べている」とも指摘した。
会見では、うるま市に陸上自衛隊が計画している訓練場の新設計画についても質問が出た。
これに対し、玉城知事は「十分な説明がないまま、計画ありきで進められているかのような、新たな訓練場の設置については、(明確に反対する)地元自治会の思いを、(きょう日に会談する木原稔防衛大臣へ)伝えていく必要がある」と語った。
また、会見では昨年8月25日~9月3日の10日間開催された「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」沖縄グループステージの、県内における経済波及効果(速報値)は107億円2000万円だったことが発表された。
玉城知事は、「県は、引き続き大会で得たノウハウや構築されたレガシー(伝統)を、新たな国際大会の誘致や、半年後に予定されているデフバレーボール世界大会の実施に向けて活用していきたい」と述べた。