新世代、世界のウチナーンチュ 10)在サンパウロ2世・嶺井フラビオさん

 

「なぜ多くの人たちが沖縄に恋するのかが分かったような気がした」

 プログラムの一環として韓国・ソウルにも滞在したあと、沖縄にも2か月間滞在した。人生で2度目の沖縄だったが、一度目は2、3歳の時で記憶になかった。沖縄に着いて今まで想像していた沖縄とは少し違う印象をもった。日本のイメージは近未来都市。沖縄を訪れる時も同様な感覚を持っていた。広がるウージ畑をみて、一言でいうと田舎という印象を持った。今までサンパウロや他の国際都市で暮らした経験があるので、とても退屈に感じた。しかし2週間過ぎたころから、心境に変化が出始める。「とてもピースフル。安全でストレスを感じない。なぜ多くの人たちが沖縄に恋するのかが分かったような気がした。沖縄はリッチになった後でリタイアするのにいいところ」だと感じた。

 現在、嶺井さんはWUBでも重要な役割を果たしている。様々な国のメンバーがいるので、英語、ポルトガル、スペイン語の知識を生かして組織のコミュニケーションを高める役割や通訳をやっている。またマーケティングの知識を生かして、インスタグラムなどのSNSで情報発信も担当している。英語を話す人材がブラジル県人会にも少ないので、自身のスキルがWUB組織に必要とされていると感じている。

 ビジネスではマーケティングコンサルタントとして顧客のマーケティングをサポートしている。将来の夢は、サンパウロを飛び出し、海外、英語圏で生活をすることだ。これまで学生として多くの国で暮らしたことはあるが仕事をしたことがないので、それは新たな挑戦となる。その後、自身の会社を設立しビジネスをはじめたいそうだ。「マーケティングは良い部分も嫌いな部分もあるので、どの分野かはっきりは分からないが料理やスポーツが好きなので何か関連するものができたらいい」と語ってくれた。

世界に対する「オープンマインド」の大切さ

 沖縄のウチナーンチュへのメッセージとして、「もっと世界を見て触れて欲しい。旅行でもいいので多くの国を見る。違う言語を多く学ぶことも必要」と話す。沖縄の人と交流すると、世界のウチナーンチュが日本語を学び、話すことを想定しているように感じるそう。「今の時代、それは非現実的なこと。ブラジルでも英語を話す人が少ないのに、ましては日本語を話す人材が増えることは非常に難しい。英語を修得することは大きな利益になり、とても価値があるスキルとなる。地理的ビジネス観点から韓国語や中国語もいいかもしれない」。また、ウチナーンチュ一人一人がもう少し「オープンマインド」になることも必要だと話してくれた。

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