沖縄コロンビア協会が設立 同国にドはまりした3人で結成

 

 沖縄県内のコロンビアファンや関係者らが集まった「沖縄コロンビア協会」が設立された。仕事や旅で南米・コロンビアを訪れ、その魅力にはまっていった3人が立ち上げた団体で、10月29日に浦添市のJICA沖縄で行われた「おきなわ国際協力・交流フェスティバル2022」での出展を初活動としてスタートを切った。翌30日の「世界のウチナーンチュの日」を正式な設立日として、コロンビアの魅力を伝えていくと共に、両地での平和活動に取り組んでいくことも活動目的に据える。

発起人の徳森さん「こんなに幸せな世界があるのかと」

 メンバーは発起人の徳森りまさんの他、在コロンビア日本大使館の職員や外交官として約35年間同国で尽力した崎原啓子さん、コーヒー好きが高じて南米を旅していた時にコロンビアに“どハマり”した新垣拓麻さん。29日の出展では、コロンビアの情報や写真を展示したり、来場者とエピソードトークを楽しんだりした。

 徳森さんはJICAの青年海外協力隊の一員として2016年に半年ほどコロンビアのアンティオキア県で暮らした。「本当にこんな幸せな世界があるのかと思いますよ」と語るほどコロンビアに恋をしてしまい、それ以来「いつか沖縄コロンビア協会を作りたい」と思い続けてきた。海外や県外での生活が続いていたが、沖縄に戻ってきた今年になって設立に向けて動き出すことができた。コロンビアですでに知り合っていた崎原さんと新垣さんに連絡を取るなどして、実行に向けて少しずつ歩みを進める中で、29日のフェスに参加することを決めたことで協会の立ち上げにつながった。

 「とにかく『気持ちのいいものが好き』っていうシンプルな生き方や考え方で、裏表のない国民性なんですよ。過ごしていて全くストレスがありませんでした。そんなところが大好きです」と、徳森さんはコロンビアでの日々を思い出す。

 崎原さんは「コロンビアの人は、沖縄の人に似ていて親近感がすごくあるんですよ。おもてなし文化が共通していて、外国人を非常に好意的に受け入れてくれてオープンです。家族の絆を大切にする点でも、沖縄の祖先を大切にする文化と似ていると思います」と、楽しそうな表情で話す。

コロンビアについて、フェスの来場者に説明する崎原さん

紛争の傷が癒えないコロンビアに平和貢献

 2019年にコーヒーの勉強で南米を1年間回っていた新垣さんは、コーヒー店を巡っては豆の産地を紹介してもらい、その土地の農園を訪れるなど、密にコミュニケーションを重ねた旅をしていた。コロンビアを拠点にして南米各地を回った日々は「あっという間の1年でした」。新垣さんのスマホの言語設定は今もスペイン語のままだ。

 コーヒーの魅力に触れるうちに、お店を開きたいと思うようになり、去年の11月に糸満市に「カフェ&ワークショップ『みらいの種』」をオープン。コロンビアから直接取り寄せたコーヒーを楽しむことができる。

コロンビア・メデジンの街並み

 コロンビアと聞いて「麻薬」「犯罪」「ゲリラ紛争」など、危険でマイナスなイメージを持つ人もきっと少なくない。2000年以降に治安は大幅に改善されたと言われ、半世紀以上続いたコロンビア内戦の和平合意が2016年に成立したばかりだ。

 沖縄コロンビア協会では、沖縄戦を経験した沖縄と、紛争の傷がまだ癒えないコロンビアをつなげることで平和活動に貢献したいという理念もある。3人の「とにかくコロンビアが好きだ」という気持ちから始まった沖縄コロンビア協会。今後も緩やかに活動を広げていく予定だ。

■関連リンク
沖縄コロンビア協会Instagram
https://www.instagram.com/okicol2022/


長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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