沖縄県議会の赤嶺昇議長は5日、中国の呉江浩駐日大使と会談した。会談は冒頭のみ公開された。赤嶺議長は、呉大使に対して中国の弾道ミサイル発射と尖閣諸島問題に関して抗議する内容の要望書を提出した。
中国は、2022年8月に米国のペロシ下院議長(当時)が台湾を訪問したことを受けて、同月に軍事演習を実施して弾道ミサイル9発を発射。このうち、5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。沖縄県議会は同年8月9日に抗議決議を可決した。
また、同県議会は尖閣諸島問題をめぐり21年3月30日には「日本漁船への威圧行為に対する抗議決議」を同じく可決している。
会談後、赤嶺議長は取材に対し、「大使がせっかくいらっしゃるので、交流親善は望むところで観光客も多く来るので大事だと思っているが、一方でミサイル(と尖閣)の2点は全会一致なので要望するということで伝えた」と語った。呉大使は、見解や立場の違いがあると応じたという。
関係者によると、会談は玉城デニー知事が行った今年7月の訪中について和やかに進んだが、要望書が提出された後は雰囲気が変わったという。
また、赤嶺議長は中国が8月に発表し国際的な批判を浴びている新地図についても「認められない」と発言した。
一方、呉大使は「台湾の中には独立したいという声がある。皆さんも、台湾の独立に同調しないでほしい」と求めた。赤嶺議長は「沖縄県議会は、沖縄台湾議員連盟で全議員が入っている。今年は30人の議員団で台湾に行ったが、台湾の独立についての意見交換はなかった。中国とも(交流は)大事だと思っている」と話したという。
(記事・写真 宮古毎日新聞)
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