沖縄県「訴状確認して対応」 政府、辺野古での代執行念頭に提訴
- 2023/10/6
- 政治
政府は5日、米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐる工法変更について、知事に代わり国が承認する「代執行」を念頭にした訴訟を、福岡高等裁判所那覇支部に提起した。沖縄県の玉城デニー知事は同日、県議会棟で記者団に対して「訴状の内容をよく確認した上で、対応を検討していきたい」と述べた。
辺野古地区では、大浦湾側の海底に軟弱地盤が見つかっており、国は大規模な地盤改良を行うため工事方法の変更を求めている。これに対し、県は2021年11月に不承認との判断を下した。
その後、政府は県の不承認処分を取り消す「裁決」や、工法変更を承認するよう「是正指示」を発出。県は法廷闘争を繰り広げたが、9月までに最高裁で敗訴が確定している。
最高裁の判断を受け、政府は改めて、県に工法変更の承認を求める「勧告」や、より強い「指示」も実施。ただ、指示の期限だった4日、県は政府に対し「期限までに承認を行うことは困難」と回答した。
県が承認しない場合、当初から国は代執行を目指して訴訟を提起するとみられていた。現実に代執行が行われれば、大浦湾側の埋め立てが可能になる。
(記事・写真 宮古毎日新聞)