「期限までの承認困難」 玉城知事、政府指示に回答

 
会見で発言する玉城デニー知事=4日、沖縄県庁

 沖縄県の玉城デニー知事は4日、県庁で会見し、米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐる工法変更を承認するよう求める国の「指示」について、「最高裁の判決を精査した上で対応を検討する必要があり、県政の安定的な運営を図る上で、県民などから寄せられているさまざまな意見を分析を行う必要もある。期限の4日までに承認を行うことは困難と回答した」と述べた。

 会見では、記者団から「指示に応じないということで、実質上は不承認ということか」との質問も出た。玉城知事は「(政府には)現段階では承認とも不承認とも確定できない、判断出来なかったと回答している」と答えた。

 県が期限までに承認しなかったことで、国は知事に代わって承認する「代執行」の手続きを目指し、訴訟を提起するとみられる。県は、訴状が届き次第、対応を検討するとしている。

 同移設をめぐっては、辺野古地区の大浦湾側で海底に軟弱地盤が見つかっており、沖縄防衛局は工事方法の変更を申請。県は2021年11月に同申請を不承認とした。

 その後、 県は国と法廷で争ったが、9月までに最高裁で敗訴が確定。国は工法の変更を承認するよう「勧告」を発出し、9月28日にはより強い「指示」を出していた。

 一方、玉城知事は4日の会見で「私は県知事として、19年2月の県民投票の結果を尊重する必要がある。与党県議の皆さんからも、一致して要請をいただいている」と語った。

 また、工法の変更を承認したとしても辺野古での基地建設が12年以上かかることなどを指摘。「知事として承服できない事柄がある。他方、行政の長として最高裁の判決を受け止める必要もある」と、相反する要素を抱えていることを強調した。

 県は、「引き続き、国に対して対話に応じるよう求めていく」としている。

(記事・写真 宮古毎日新聞)


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