沖縄在住ウクライナ女性「なぜ21世紀に戦争という原始的な手段を」

 

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まって2週間が過ぎた。沖縄県内に住むウクライナ出身者はこの状況をどう見つめているのか。「戦争が起きたということがいまだに信じられません。なぜ21世紀になってまで、理性的な話し合いではなくこんな原始的な手段に出ているのか」と話すのは、糸満市喜屋武に住むエンジニアの本間佳多倫(カタリン)さん(49)だ。ウクライナの平和を願いながら、かつては同じ国民として暮らしたロシアの人々との間に憎しみの連鎖が起きてしまわないかと案じている。

両国のルーツを抱え「こんな人はいっぱいいる」

 「私の母のルーツはロシアで、父のルーツはウクライナなんですね」。自らのルーツである両国が今、戦火を交えている状況にカタリンさんは心を痛めている。ウクライナもロシアも、同じ旧ソビエト連邦の国だ。ウクライナには昔からいろんな民族が入ってきた歴史があり、ソ連時代の公用語はロシア語ではあったものの、各民族は自分たちの言語も話しており、かつては“1つの国”の国民として仲良く暮らしてきた。

「私のように両方にルーツがある人はたくさんいます。ロシア人とウクライナ人は、母語こそ違いますが、いつも隣同士で生活していて『違う民族だ。この人は外国人だ』なんて意識したこともありませんでした」

 そんな両国民を巻き込んだ戦争。「2014年のクリミア侵攻からところどころ軍事的な小競り合いがあって不安ではありました。ただ、経済的な共存という道も図れたはずです。ウクライナは高性能の航空機が作れるし、ロシアは天然ガスなどの資源が豊富です。平和的な交換で折り合いをつけながら交渉すれば良かったんですよ」

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