遠山光一郎の「沖縄VSアジア国際都市」8:シンガポールの教育制度

 

 前回では語学の重要さについて書いた。(遠山光一郎の「沖縄VSアジア国際都市」7:語学力で日本牽引を | HUB沖縄)英語はこれからのボーダレス社会で当然、重要である。しかし英語は伝える道具であり英語ができたからと言って国際的人材といえるわけでもない。では今後、国際的人材としてより重要な点は何であろうか。私は、それは世界中で必要とされる専門知識であると思う。

シンガポールのシビアな教育システム

 資源のない小国、シンガポールでは人材が唯一の資源と認識され、学校のカリキュラムでは国際的人材育成のため早くから能力によるふるい分けがされる。小学校から、中国語、英語、化学、数学など科目成績別によるクラス分け、総合成績に基づく上位10%が1組になるクラス分け、特に優秀な生徒たちにはトップ学校への転校を勧めるプログラムなども実行される。シンガポールは英語の国際テストでも上位だが、化学や数学などのPISA国際学力調査でも常にトップクラスの位置にあるのも、この厳しい過程を経てからのことである。

 息子が小学5年生の時、見たこともない計算機をつかって宿題をやっているのに驚いた経験がある。この計算機は関数計算機で日本では大学や工業高校などで使用されると知って更に驚いた。

シンガポールでは小学生でも使う関数計算機

偏差値ごとに分けられた学校やクラス

 小学校終了時には人生を左右する最初の至難ともいわれる全国共通テストがあり偏差値ごとに分けられたセカンダリースクール(日本の中1~高1もしくは高2)へ入学できるかが決定されるが、同じセカンダリースクールでも更に4年間のエクスプレス(成績上位者6~7割程度)と5年間のノーマルクラスに分けられる。

 またエクスプレスでも成績により選択できる教科や成績別クラス分けなどが行われる。セカンダリースクール卒業時にまた全国共通テストがあり、そこからジュニアカレッジ(大学に行くための学校)、ポリテクニック(高度な各分野専門学校)、職業専門学校などへ進学が決まる。近年、シンガポール政府は学生のストレス解消のためにカリキュラムやシステムを柔軟に変更しており、ポリテクニックの成績上位者にはシンガポール国立大学など大学への道を開く等、数々の試みを続けているが、シンガポールの学生は常にストレスを感じていると言っていいと思う。

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