沖縄県内景況8カ月ぶり下方修正 日銀那覇支店
- 2022/2/11
- 経済
日本銀行那覇支店(飯島浩太支店長)は10日、沖縄県内の2022年2月金融経済概況(主要指標は21年12月)を発表した。県内景気は、年明け後にオミクロン株の流行で感染者数が再拡大した影響により、観光やサービス消費で下押し圧力が強まったことから、「厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが弱まっている」として、総合判断を8カ月ぶりに下方修正した。
先行きについては、県内の感染が落ち着くまでは観光や外食などのサービス消費に強い下押し圧力がかかる状況が続くと予想されるとして、「引き続き感染症の再拡大の影響を受けるとみられる」と判断した。
観光分野は、県内の新規感染者数が急拡大し、まん延防止等重点措置が適用された1月9日以降に稼働率が低迷したことに加え、1月の主要ホテル稼働率(速報値)も23.0%と大きく低下したことなどから、「厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが弱まっている」として8カ月ぶりに下方修正した。
12月の主要ホテル客室稼働率は46.8%で、コロナ前の前々年比で28.1%減。前月(44.6%減)よりマイナス幅は縮小したものの、1月以降に新規感染者が急増したことや、まん延防止措置の指定に伴い、持ち直しの動きが弱まっていると判断した。
個人消費は、ヒアリングの結果、まん延防止措置の適用で1月は落ち込んだという声が多いことから、「持ち直しの動きが続いているものの、サービス消費を中心に感染症の再拡大の影響による下押し圧力が強まっている」として、1年5カ月ぶりに下方修正した。
百貨店・スーパーの販売額(全店舗)は、気温が低下した11月に衣料品の売り上げが集中したため、12月の前年比プラス幅は縮小した。
自動車登録台数は、半導体不足による新車供給制限の影響で、新車が前年比9.6%減少した。それに伴い中古車への需要が高まり在庫が不足した結果、中古車も同9.4%減少となった。
1月の企業倒産件数は4件、負債総額は28.1億円で、飯島支店長は国や金融機関の貸出姿勢などに変化がないとして、「今のところ企業倒産については低い水準で維持されている」との認識を示した。
また、飯島支店長は目先の県内経済について「昨年秋の経験を踏まえると、感染さえ落ち着けば、観光や外食などのサービス消費は比較的素直に回復することが予想される」と期待を述べた。一方で、感染症の動向に大きく依存するとも指摘し、今後の感染症の動向と経済への影響を注視していく考えを示した。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)