自然学校に地層、そして聖火も 北部東海岸「嘉陽」の見所
- 2022/2/11
- 社会

名護の東海岸にある「嘉陽」を訪れたことはあるだろうか?
名護市内とは言え市街地のある西海岸から20kmも離れているので、なかなか訪れる機会に恵まれないかもしれない。そこで今回は魅力溢れる嘉陽地区の見所をお届けしよう。機会を作って足を運んでみてもらえれば幸いだ。
大自然に囲まれて大人も学べる授業
沖縄本島北部は「ヤンバル」と呼ばれる大自然に囲まれたエリアだ。特に東海岸部は未だ開発の進んでいない土地が多く、景色一つをとってみても中部や南部と比べて、同じ沖縄なのかと錯覚を起こすほどだ。海岸に転がる石の大きさや模様も、打ち返す波の荒々しさも全く違うのだ。

そんな東海岸沿いには2009年に閉校となった嘉陽小学校跡があり、現在は沖縄美ら島財団が運営する県民を対象とした「美ら島自然学校」を開校している。運動場の先には見渡す限りの海、そして校舎の背後には深緑の山が広がるまさに自然に囲まれた学校だ。
古く懐かしさを覚える小学校校舎の雰囲気を残しつつ、目の前に広がる豊かな自然環境を生かした研究調査や課外活動の拠点として活用されることを目的としている。

定期的に家族向けの自然文化講座や工作教室を開講し、学校や幼稚園、子供会などの団体を対象として生き物観察の学習プログラム提供やビーチクリーンなども行なっている。出張講座を開催することや各団体の希望に合わせたプログラムを組み立て提供することも可能だという。

講座の要所要所で自然との向き合い方、土地開発が生み出す破壊、自然との共存の仕方などについても考えさせられる内容が深い。
また施設内には自然・生物に関する図鑑やガイドブック、サンゴやウミガメなど海の生き物の標本が展示されており自由に観覧できる。近隣で拾った石や木の実などを利用した工作体験も常時受け付けている。休校日の月曜以外は基本的に開放されており、原則無料で誰でも利用可能だ。