沖縄⇔ウクライナ直接質疑 映像で現地「祈りや金銭支援を」

 

 ロシア軍によるウクライナ侵攻を受けて、ウクライナの歴史や文化を知るトークイベント「Voice of Ukraine ~きく、しる、平和をいのる~」(主催・多文化ネットワークfuふ!沖縄)が3月12日、沖縄市産業交流センターで行われた。

 ウクライナ出身で沖縄県在住のアラ・コバルチュークさんが故郷の現状や歴史背景を解説した他、ウクライナに住む男性とビデオ通話で会場をつなぎ、参加者は現地の様子や人々の思いについて直接質問を投げかけた。

コバルチュークさん「ウクライナは独裁者を求めていません」

アラ・コバルチュークさん

 コバルチュークさんは、ウクライナの主要港湾都市・オデッサの出身で、首都キエフにも9年間住んでいたことがある。

 「21世紀において、第二次世界大戦のようにロシアが爆撃をしてきたことが、とても信じられませんでした。現在でもこんなことが起こるなんて。産婦人科医院も爆撃をされているひどい状況です」と、祖国の現状に降りかかる惨状に怒りも悲しみもあふれ出す。

 「プーチンはウクライナを獲得したいのでしょうが、どんな国に住みたいかは国民自身が決めることです。ウクライナは独裁者を求めていません。ソ連時代には戻りたくありません

ウクライナ国内とビデオ通話で質疑応答

 ロシア国境に近いウクライナ第二の都市・ハリコフに住むミコラ・デニソフさんが、ビデオ通話で会場からの質疑を受けた。以下、一問一答。

スクリーン上で会場とつながるミコラ・デニソフさん

Q.現状が悪化する心配はありますか?

A.軍事施設があるので「ウクライナ軍に守られている」という安心感はあります。ウクライナの中でもロシア系住民が多く、ロシア軍はハリコフを重要視しているでしょう。

Q.逃げようと考えたりはしますか?

A.思いません。家族、特に高齢者などがここにいます。私たちには守るべきコミュニティがあるので、逃げることはできません。

Q.子どもや妊婦もやられています。原発もやられています。ウクライナの人たちは逃げられる状況ですか?

A.国際社会に支えられて、戦争は膠着状態にあります。核施設を(放射能の影響が出るまで)攻撃することはあまり考えられません。そうなると第三次世界大戦が始まってしまうでしょう。ロシアが何らかの口実で核兵器を使わないように望んでいます。

Q.日本に住む私たちには何ができるのでしょうか。

A.まずは祈りをささげてください。あとは募金です。金銭的な部分での支援をお願いします。

Q.ゼレンスキー大統領に対してどう評価しますか。

A. 私たちは完全に彼を支持しています。コメディアン出身だということで、政治家としての評価を当初は下せませんでした。経済も落ち込んで失望していました。しかし今は大統領自身が先頭に立って、他国にも逃げずに勇気を見せています。私たちはヨーロッパ側に立って民主主義の国になりたいのです。今は支持率も93%となっていて、次の選挙でも続投は確実でしょう。

ロシア国境近く・ウクライナ第二の都市ハリコフの位置(Google mapsより)
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