沖縄在住ウクライナ女性「なぜ21世紀に戦争という原始的な手段を」

 

友人家族の身を案じ

ウクライナの街並み(資料写真)

 約30年間日本で生活しているカタリンさんは、すでに帰化して日本国籍を取得している。両親も政局が不安定なウクライナからカナダに移住した経緯がある。「元の国籍を捨てているという意味で、国との縁を切ったという覚悟はあるんですよ」と言うものの、当然出身国への心配は尽きない。

 日本に住むウクライナ人である友人の家族は、ロシアとの国境に近い街・ムィコラーイウに住んでいる。軍事施設がある街だ。カタリンさんは友人に電話した。「お母さんは大丈夫?」ロシアの侵攻が始まった2月24日のことだ。

 「軍事施設に爆弾を落とされたみたいでした。(友人の母は)70歳近くではありますが学校で働いているみたいで、学校自体はストップしているので家にいて大丈夫とのことでした。『これからどうなるか分からない』と心配しているようです」

 友人は日本の外務省に、「人道ビザ」の発給を申請して母親を呼び寄せようと考えている。「ただ、まだ問題があります。まずどうやって日本に入国するかですよね。ウクライナから飛行機は飛んでいません。隣国のポーランドやルーマニアは陸路で行けて受け入れ態勢ができています。また、ある程度高齢の人が外国に行く場合、やっぱり不安ですよね。言葉も分からないですし。家も土地も何もかも手放さないといけません」

例えるならば「地方対地方」の戦争

 前述のように、ロシアとウクライナは旧ソ連構成国ということもあり、地域差や個人差はあれど国家意識を共有してきた。カタリンさんは今回のロシアのウクライナ侵略は「国と国の戦争というより、地方と地方の戦争という感じが近いです」と説明する。

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