【沖縄県知事選】佐喜眞氏が政策発表「普天間返還2030年までに」

 

「沖縄振興予算3500億円以上を確保」

必勝に向けてガンバロー三唱をする佐喜眞氏の支持者ら=9日、那覇市の沖縄ハーバービューホテル

 ④の医療、福祉、暮らしなどの政策については、沖縄本島内の南北間医療格差の是正に向けて北部の基幹病院建設の早期実現を目指す。さらに、国公立大学への薬学部新設で薬剤師不足解消と創薬産業の活性化を盛り込んだ。また「健康長寿世界一復活プロジェクト」の推進で長寿県復活を目標に掲げると共に「子どもの肥満ゼロ・虫歯ゼロプロジェクト」を推進するとしている。また介護人材の処遇改善などによる介護サービスの充実や、一人親家庭の自立支援、LGBTQ+や外国人、社会的弱者など誰もが住みやすい社会の実現、離島振興なども重点項目とした。

 ⑤で対話による基地問題解決を訴える佐喜眞氏は「普天間飛行場の返還合意から26年間、県民は常に基地問題に悩まされてきており、分断されている状況です」として「原点はやはり、1日も早い返還です。いま進められている辺野古の工事については、現実的に言えば認めざるを得ないと思います」との姿勢を改めて示した。その上での返還跡地利用を「国家戦略として行い、沖縄の発展が日本全体の経済向上につなげていけるよう取り組んでいきたい」と述べた。また、政府との話し合いを通して沖縄振興予算を3500億円以上にするとした。

普天間2030年返還「政府との信頼関係で実現」

 報道陣とのやり取りでは、主に普天間飛行場の辺野古移設に質問が集中した。普天間飛行場返還について「どのように現行計画から4年間短縮して2030年に返還を実現するのか」との問いに対しては「1996年の返還合意の時には5年ないし7年以内の返還という話だった。それが、2014年度、2022年度と延長されて一向に進んでいません」と述べ「仲井眞県政の時には5年以内の運用停止という話は進んでいました。政府との信頼関係の上で前向きな話し合いを行い、沖縄側からの要望や協力を日米政府にしっかりとしていくことで実現可能だと考えています」と答えた。

佐喜眞淳(さきま・あつし)
1964年8月9日、宜野湾市出身。千葉商科大学卒。宜野湾市議会議員、沖縄県議会議員を経て、2012年の宜野湾市長選に初当選。2期目途中の2018年に沖縄県知事選に出馬したものの落選した。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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