米軍、下地島空港の訓練使用通告    沖縄県は自粛求める方針

 
下地島空港(資料写真)

 米軍が31日に宮古島市の下地島空港を飛行訓練で使用するため、同空港管理事務所に対して使用届を提出していたことが、17日までに分かった。沖縄県の記録によると、米軍機が下地島空港を使用するのは2006年以来となる。県は、米軍に対し18日にも口頭で使用を自粛するよう求める方向で調整しているという。

 日本と米国が1960年1月19日に締結した日米地位協定の第五条では、米国側が公の目的で運航する場合、日本側に通告すれば日本国内の空港や港を着陸料や入港料を課されず出入りすることができると定めている。今回、米軍は同条に基づき使用届を出したものとみられる。

 県によると、使用届は同空港管理事務所にメールで送付された。使用日時は31日の午後0時30分から1時間で、目的は人道支援や災害救援の習熟飛行のためとしている。宜野湾市の普天間基地所属のH1ヘリコプター2機と、CH53ヘリコプター2機の計4機が訓練に参加する予定。

 これまでに、2004年12月にフィリピンの台風災害で人道支援に向かう米軍のCH46ヘリコプターが計5回、06年10月にはフィリピンで実施された合同演習に参加する同ヘリコプターが1回、それぞれ給油のため下地島空港を使用したことがある。

 同空港をめぐっては、1971年8月に当時の琉球政府と日本政府との間で交わされた「屋良覚書」で、軍民共用空港としては使用しないことが規定されている。また、79年6月の「西銘確認書」では、人命救助や緊急避難など、特にやむを得ない事情のある場合を除いて、民間航空機に使用させる方針で管理運営すると県と政府で確認されている。

 米軍は今回、使用目的として人道支援や災害救援を掲げている。県は自粛を求める方針だが、国際情勢の緊迫化もあり、今後も同様の使用届が提出される可能性がある。

(記事・写真 宮古毎日新聞)


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