OIST学長兼理事長に初の女性 スウェーデンのマルキデス博士、6月1日付で就任

 
OISTの次期学長に就任するカリン・マルキデス学長(OIST提供)

 沖縄科学技術大学院大学(OIST、恩納村)は1月17日、新たな学長兼理事長にスウェーデン出身のカリン・マルキデス博士を任命したことを発表した。就任は6月1日付け。OISTの学長に女性が就くのは初めて。マルキデス氏は母国のストックホルム大学で分析化学の博士号を取得している。

ノーベル化学委員会の委員など歴任

 博士号取得後は米国ブリガムヤング大学の研究員、スウェーデンのウプサラ大学教授、スタンフォード大学の客員教授などを歴任。スウェーデンのイノベーションシステム庁「Vinnova」副長官や同国チャルマース工科大学学長兼理事長も務めた。

 直近ではアルメニア・アメリカン大学の学長のほか、スウェーデン王立科学アカデミーの会員としてノーベル化学委員会の委員も担っていた。その他にもスウェーデンの持続可能な開発科学評議会(政府への助言機関)やグローバリゼーション評議会(政府の評議会)、欧州先端工学教育研究校会議など多数の機関において管理・顧問職を歴任している。

 世界的な研究者らで構成する学長兼理事長選考委員会(委員長:ジェームス・比嘉氏、ラルフ・アイヒラー氏)が選考を行い、マルデキス氏の推薦を受けたOISTの理事会が選出を決定した。

 OIST理事会で議長を務めるチェリー・マレイ氏は「マルキデス博士は人望が厚く、尊敬される包摂的なリーダーであり、世界クラスの大学を前進させるためのリーダーシップと戦略的理解を備えています。国際的な経験を持つマルキデス博士は、開学から10年を迎え成長し続けるOISTにとって最適な人物です」と高く評価した。

「大学の将来にしっかり貢献したい」

 次期学長への選出を受け、マルキデス氏は「選ばれたことを大変光栄に思います。OISTはまだ歴史の浅い大学であるにもかかわらず、すでに数多くの卓越した業績を上げています、OISTの教員、研究員、学生、職員からなるインスピレーションと魅力に富んだコミュニティーに加わることは大変楽しみであり、大学の将来に対してしっかりと貢献していきたいと思います」とコメントした。
 前学長兼理事長のピーター・グルース氏は昨年12月31日で退任しており、現在はアルブレヒト・ワグナー博士が臨時で同ポストについている。ワグナー博士の任期は、マルキデス博士就任までの5月末までとなる。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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