ワクチンパスポート試行へ 沖縄県議会9月定例会一般質問3日目
- 2021/10/2
- 政治
9月28日の県議会9月定例会は一般質問の3日目を迎え、会派別にてぃーだ平和ネットから2人、沖縄・自民、公明、無所属の会、立憲おきなわ、共産、おきなわから各1人の計8人が登壇した。ワクチンパスポートが10月に試行運用する方針が示された他、やんばる3村(国頭村、東村、大宜味村)の下水道普及率が2.6%であることなどが報告された。
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沖縄県議会 議会中継 令和3年第8回定例会-9月28日
ワクチンパスポート「経済団体からも要望」
新型コロナウイルスのワクチン接種状況を証明する「ワクチンパスポート」の導入に向けて、照屋義実副知事は「運用のガイドラインを早急にとりまとめている10月上旬には試行運用していきたい」とした。呉屋宏氏(沖縄・自民)に対する答弁。
嘉数登商工労働部長は「経済活動の再開にも期待がされる。経済団体からも要望があった。感染収束時を見据えた導入に向けて準備を進めている」と述べた。これに対し呉屋氏は「後手だ。緊急事態宣言の解ける10月1日から間髪入れずにワクチンパスポートが使えたなら、もっと感染を抑制することができたはずだ」と批判した。
外来種タイワンハブ生息域拡大
外来種で毒性の強いタイワンハブについて、沖縄本島では名護市、今帰仁村、本部町、恩納村、読谷村、宜野座村、金武町と、中北部での生息域が拡大している。平良昭一氏(おきなわ)に対する大城玲子保健医療部長の答弁。
平良氏は2020年度のハブ捕獲数におけるタイワンハブの数について、質問の中で「今帰仁村が433匹中432匹、本部町が1403匹中1398匹、名護市が1278匹中1266匹だった」といずれも99%台である圧倒的多数であることを紹介。
「タイワンハブは冬眠せずに1年中活動するため、住民はウォーキングができない。日常生活が変化している」と述べ、市町村への予算配分を求めた。
やんばる3村下水道普及2.6%
沖縄本島の「やんばる3村」の現状での下水道利用者は247 人で2.6%であることが報告された。呉屋宏氏(沖縄・自民)の質問に対して松田了環境部長が答弁した。
3村でのそれぞれの利用者は合併浄化槽が約2800人(29.5%)、単独浄化槽が約6000人(63%)、汲み取りが約300 人(3.2%)となった。日本下水道協会のHPによると、2020年度末時点での下水道普及率は沖縄県が71.9%で、全国平均は80.1%。県内の普及率上位は嘉手納町100%、北谷町98.7%、那覇市98.2%、浦添市97.1%など。
浄化槽処理は人家がまばらで、下水道による集合処理が効果的でない地域に用いられることが多い。合併浄化槽はあらゆる生活排水をまとめて処理するが、単独浄化槽ではトイレ汚水のみの処理となるため、台所や浴室などから出た汚水は処理できずにそのまま水路に流れてしまうこととなる。
3村にまたがるやんばる地域も世界自然遺産への登録が決定していることを踏まえて、呉屋氏は環境への影響などを問題視。「日本だけなく世界の問題だ」と述べ、対応を求めた。
コロナで火葬場不足、登校控え
新型コロナで死亡した人の遺体受け入れが可能な火葬場は、県内21カ所中15カ所で、1日あたりの最大受入数29件であると説明された。金城勉氏(公明)に対する大城玲子保健医療部長の答弁。県は特定の火葬場に件数が偏らないよう、市町村や火葬場、葬祭事業者などに9月7日付の文書で、圏域外からの受け入れなどの協力を依頼している。
新型コロナウイルス感染への心配から、県立高校で夏休み明けの登校を控えた生徒は9月10日までに360人で全体の0.8%だった。公立学校の新型コロナ感染者数は8月が1540人、9月1~10日が372人。照屋大河氏(てぃーだ平和ネット)に対して金城弘昌教育長が答弁した。
知事「誤った情報による間違った発言されること自体が問題」
ヘイトスピーチ問題に対して玉城デニー知事は、自身が受けた批判的な発言のうち、8~9割がフェイクニュースを基にしたものであったという経験から「誤った情報によって間違った発言がされるということそのものに、現代社会の根深い問題を感じざるを得ない。人権を侵害する不当な差別的発言は許されるものではない。法制的な論点を整備するため、有識者から意見を募っている」と述べた。瑞慶覧功氏(てぃーだ平和ネット)に対する答弁。