「軍港移設はもはや争点ならず」松本氏陣営 浦添市長選

 

 「軍港移設問題は争点になりえなかったんですよ。もう県・那覇市と合意した後なんですから」と語るのは、7日の浦添市長選挙で3期目の当選を果たした松本哲治氏の後援会幹部だ。実際に松本氏が今回の選挙で掲げた17の公約の中には、軍港移設問題については触れられてはいない。公約とまではいかない「プラスワン」として「軍港問題は、三者合意をベースに県知事、那覇市長と再協議します」とするにとどめていた。

 従来、松本浦添市長は、那覇港湾施設(那覇軍港)の移設先について、沖縄県、那覇市、那覇港管理組合が推す従来の「北側案」では、大型商業施設「サンエー浦添西海岸 PARCO CITY」の目前の沖に軍港が出来てしまうとして、浦添市独自の「南側案」を掲げていた。

 しかし昨年8月、沖縄県と那覇市が推す「北側案」を“苦渋の決断”として受け入れ、3者が合意した。浦添市だけが北側案に反対する局面で、県や那覇市との足並みが合わず、国や米軍も県サイドに付くなど「辺野古と比較して那覇軍港移設阻止は1000倍難しい」(松本市長)状況となったことに加え、2025年度以降のキャンプキンザーの返還に向けた準備が進むなかで、都市開発計画が急がれる状況だったことが背景にあった。

 もはや争点ではないとする松本陣営に対し、これを徹底して争点化しようとしたのが、一騎打ちの相手となった伊礼悠記氏の陣営だった。伊礼氏は1月27日に行われたウェブ公開討論会で浦添市の重要課題を問われた際、最初に軍港問題を挙げ「反対を掲げて勝利することが、一番具体的な解決方法だと思っています」と繰り返し強調した。

 しかし、この軍港問題の争点化を進めたことが、伊礼氏を支援する玉城知事や「オール沖縄」陣営内部でほころびを生んだのも事実である。玉城知事は翁長前知事から引き継ぐ形で浦添移設を推進する立場だからだ。例えば、2月2日の那覇港管理組合議会で、同組合の管理者である玉城知事は、浦添への移設を「速やかに進めていくべきだと認識している(2月3日付沖縄タイムス)と答弁している。

 軍港移設に反対する伊礼氏を玉城知事が支援したことは混乱を招いた。逆になぜ伊礼氏は玉城知事に軍港移設反対を直接訴えなかったのかと批判を招き、「もともとのオール沖縄の支持層が一定数離れたのではないか」と松本陣営幹部は見る。

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