【参院選】野党党首ら沖縄入り、伊波氏応援で 自公政権に対抗

 
伊波洋一候補(左から3人目)の応援で演説する共産党の志位和夫委員長(同2人目)=7月4日午後、那覇市の県民広場

 7月10日に参議院議員選挙の投開票を迎えるのを前に、「オール沖縄」勢力が推す無所属現職の伊波洋一氏(70)の応援で野党党首らが沖縄入りして訴えに熱を入れている。4日午後には、那覇市の県庁前にある県民広場で行われた街頭演説会に共産党の志位和夫委員長が登壇し、支持を求めた。

 志位氏は、伊波氏が1期6年間において170回以上の国会質疑をしてきたことに触れ「県民の皆さんの声を国会に届け続けてきた、県民にとって宝の議席です。オール沖縄の力を総結集して、必ず勝とうではありませんか」と呼び掛けた。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設についても触れ、「日米両政府は辺野古移設が(普天間飛行場の危険性除去の)唯一の解決策だと呪文のように繰り返していますが、SACO合意から26年も経つのに飛行場は1ミリも動いていない。破綻してしまっている」と痛烈に批判した。

 岸田文雄首相が軍事費の増額や憲法9条の改正を目指していることを念頭に「軍拡で平和は守れるのでしょうか。軍事対軍事の悪循環が一番危険ではないですか。万が一軍事衝突が起こった際、真っ先に報復の対象になるのは米軍基地がある沖縄です。沖縄を2度と戦場にしてはいけない。この願いはどうか伊波さんに託してください」と語り、支持を訴えた。

 社民党の新垣邦男副党首は「伊波さんは子供の貧困や医療、福祉、観光振興など、研究に研究を重ね、国会で鋭い質問をしてきました。再び参議院に送り出すのは、我々の責任です」と力を込めた。

 さらに「復帰50年がたっても、軍事基地は強化され、経済は疲弊し、子供の貧困も増えている。国は真剣に沖縄のことを考えているのか疑問です。自民党候補が勝ち、沖縄県民は政府の言うことを聞いているという間違ったメッセージを与えてはいけません」と語り、支持の拡大を求めた。

ガンバロー三唱で演説会を締めくくる参加者たち

 この街頭演説では、新型コロナウイルスの陽性判定を受けて療養中の玉城デニー知事に代わり、池田竹州副知事も参加。同日に那覇市おもろまちで開いた演説会には立憲民主党の西村智奈美幹事長が登壇した。全国的に自民党の優勢が伝えられる中、国政野党は沖縄の議席を死守する構えを見せる。

 参議院沖縄選挙区には伊波氏の他に、届け出順で、自民新人の古謝玄太氏(38)=公明推薦=、NHK党新人の山本圭氏(42)、参政党新人の河野禎史氏(48)、幸福実現党新人の金城竜郎氏(58)が立候補しており、改選1議席を争う。


長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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