軍港問題で足並み揃わず、知名度不足も 浦添市長選・敗れた伊礼氏

 
相手候補の当確を受け、敗戦の弁を述べる伊礼悠記氏

「私の力が及ばなかった。結果はしっかりと受け止めるが、終わりではない」

 2月7日に投開票された浦添市長選で、現職の松本哲治氏当確の一報を受けた新人の伊礼悠記氏はまぶたを強く閉じて天井を仰ぎ、敗戦の弁を述べた。那覇軍港の移設反対を掲げ「命を守る政治」を訴えて選挙戦を戦ってきたが、1万票以上の差が開く結果となった。
 伊礼氏は軍港移設を巡る玉城デニー知事との姿勢の違いについて「確かに矛盾はあるかもしれない」と自認つつ、「これまで市民が真正面から(軍港移設について)問題を議論する環境や状況がなかった。今回の選挙を通して、その機会を設けられたという意味では意義があった」と総括した。

コロナ禍の選挙戦と響く出遅れ

 伊礼氏が出馬表明をしたのは昨年12月末。松本氏が9月に出馬の意向を示したのに対し、自身でも「本当に短期決戦」と振り返っており、この出遅れが知名度の広がりに大きく響いた。

 伊礼氏は当初、共産党に党籍を残したまま出馬する意向を示していたが、統一候補としての支援が難しくなると社民、社大が反発。共産を離党しての出馬にこぎつけるための調整に時間を費やし、出馬表明のタイミングがずれ込んだ。伊礼氏は落選を受けて「私の名前と政策自体も、支援者の頑張りもあって全市的に浸透してきているという実感もあったが、やはり短い期間で知名度を広げるには及ばなかった」と選挙戦について省みた。

 また、新型コロナウイルスの影響も拭えなかった。コロナ禍での選挙戦は感染拡大への対策上、対面での接触や屋内での集会を避けなければならず「街頭での演説に頼らざるを得ないという面で、知名度の拡大は難しい状況だった」(陣営関係者)。
 時短営業に応じた飲食店への協力金や、18歳以下への現金支給などコロナ禍での経済支援策を強調しつつ、選挙戦序盤ではSNSも駆使しながら松本陣営が危機感を覚えるほどの勢いも見せた。打ち上げ式には伊礼氏と同世代の女性や赤ちゃんを抱く母親の姿も多く、通常の選挙戦ではあまり感じないような華やかな雰囲気もあった。
 しかし、現職のアドバンテージを覆すには至らなかった。

支援者とグータッチする伊礼氏
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