沖縄市桑江市長に聞く 1万人収容沖縄アリーナ(下)
- 2020/10/23
- 政治
2021年3月に落成予定を控える最大1万人が収容可能な沖縄市の「沖縄アリーナ」。沖縄市の桑江朝千夫市長が2014年の初当選の際に提唱したのが発端だった。どのような思いで沖縄に大規模アリーナの建設を構想し、どのような活用を見込んでいるのか。桑江市長に聞く。
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-なぜ1万人規模の施設を構想したのでしょうか。
「沖縄を訪れる観光客が(14年当時は)約700万人でした。どんどん右肩上がりで伸びていき、すぐに1000万人を越えるだろうと見ていました。その中で沖縄市は『通りすがりの街』でした。シャッター街の現状を打破しようと歴代の市長も一生懸命施策を打ってきましたが、20年かかっても変わることはありませんでした。県経済も観光客数も伸びていく中で、沖縄市は置いて行かれないようにはどうすればいいのか、何が足りないのかと考えました。エイサーや音楽など、文化的な魅力はあるにしても、実際に誘客につながっていないという現実があります。
つまり、沖縄市は企業が進出して投資したいと思える環境に無かったのです。そういった環境をどのように作ればいいか。沖縄市には沖縄自動車道の出入り口が『沖縄北IC』『沖縄南IC』の2つもあって、交通アクセスに恵まれています。沖縄県自体がアジア圏内からとても近く、例えば台湾からは1時間ちょっと、香港からは数時間もあれば来ることができます。そこで、思い切ってコンサート会場を造ろうと。そういった発想からアリーナ構想が生まれました」
「当初はコンサート会場という想定でしたが、その構想にちょうど合致したのが、琉球ゴールデンキングスの存在でした。チームの人気も県民のバスケ熱も上がってきました。Bリーグでチームを持つためにはホームタウンが必要です。当時沖縄市はキングスのホームタウンではありませんでしたが、アリーナ構想とも絡めた結果、キングスが沖縄市をホームタウンとして宣言しました」