安倍政権と沖縄 7年8カ月を振り返る
- 2020/8/30
- 政治
安倍晋三首相が28日、辞任する意向を表明した。歴代最長となった約7年8力月の政権運営で、沖縄との関係においては那覇空港第二滑走路の前倒し完成など経済振興に成果を出した一方で、普天間飛行場の辺野古移設問題で対立する場面が続いた。
「沖縄の基地負担の現状は、到底是認できるものではない。基地負担の軽減のためできることは全て行う」
安倍首相は国会答弁などで繰り返しそう述べたが、内実はどういったものだったのか。7年8カ月を振り返ってみたい。
基地で平行線、深まる対立
2012年12月に発足した第2次安倍政権では、それ以前から日米間で合意されていながら長く停滞していた米軍基地問題にいくつもの動きがあった。首相が沖縄の基地負担について「一つ一つ着実に結果を出してきている」と語り、その実績に挙げてきたのは、普天間飛行場の空中給油機の県外移駐や米軍基地返還などだ。
普天間飛行場に配備されていた米軍のKC130空中給油機(15機)は14年に岩国基地(山口県)への移駐が始まり、15年に完了した。KC130は普天間飛行場でタッチアンドゴーを繰り返すなど、周辺住民に騒音被害をもたらす一因となっていた。
16年には沖縄本島北部の3村にまたがる米軍北部訓練場約7500ヘクタールのうち過半の4010ヘクタールが返還され、首相は「本土復帰後、最大の返還だ」と胸を張った。このほか、キャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区やキャンプ・キンザーの一部土地の返還も安倍政権下で手掛けられた。