安倍政権と沖縄 7年8カ月を振り返る

 


 沖縄振興予算をめぐって安倍政権は13年12月、現行の沖縄振興計画が続く21年度までは毎年3千億円台を確保するとの方針を閣議決定した。当時の仲井真知事は「有史以来の予算」だと絶賛し、直後に辺野古の埋め立て申請を承認したことから沖縄県内では反発が相次いだ。


 政府高官は「何があっても、21年度まで3千億円台を確保するという仲井真知事との約束は守る」と強調してきた。ただ、14年度当初予算で3501億円まで増えた沖縄振興予算は辺野古移設に反対する翁長氏の知事就任後減少し、20年度当初予算額は3010億円となった。予算額に応じて市町村に割り当てられる一括交付金も減っており、基地問題の対立が振興にも影を落とす構図が続く。

ポスト安倍の行方


 安倍首相の退陣表明を受け、後任となる自民党総裁を選ぶ動きが加速化している。ポスト安倍の有力候補には自民党の岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長、菅官房長官の名が挙がっているが、いずれも沖縄とは少なからず縁がある。


 岸田氏は沖縄・北方担当相や外相として沖縄振興や基地問題に関わった。石破氏も防衛庁長官や防衛相を歴任し、自民党幹事長時代には辺野古移設に反対していた沖縄選出の国会議員を容認に転じさせ「平成の琉球処分」と形容された。安倍政権で官房長官と沖縄負担軽減担当相を兼務する菅氏は毎年のように沖縄を訪れており、基地問題から振興予算まで実質的に政策決定を取り仕切っている。


 新たな首相の下で、沖縄政策に変化は生じるのか。基地問題はもちろん、22年度以降の10年間の新たな沖縄振興を見据える上でも動向が注目される。

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