「村職員の意識を変える」 伊平屋村の名嘉律夫村長に聞く(中)

 
伊平屋島の西海岸に打ち寄せた軽石

 現職の村長が2期続けて不祥事を起こした伊平屋村。背景には旧態依然とした役場の体質があると言う。職員の意識をどう変えるのか。そして打ち寄せる軽石で定期便が欠航するなか、「島に引き返せ」と言う当該課長を制し、接岸させた名嘉村長の“神対応”は。

 就任から3カ月が過ぎた名嘉律夫・伊平屋村長へのロングインタビュー第2回。なお、インタビューの第1回目はこちら(https://hubokinawa.jp/archives/11671)。

「ホウ・レン・ソウ」の連携をしっかりと

――話が逸れるんですが、人間の腸内環境……腸の中には善玉菌と悪玉菌、それ以外に日和見菌がいます。環境が良いと善玉菌が優位で日和見菌はそれにくっつき、環境が悪いと悪玉菌が優位となりそれに付く。誠実な職員がちゃんと仕事ができるような環境を整えれば、組織も変わってくる気がするんですが。

 「ちょうど今人事評価があって、職員に自己評価を課しました。一次評価は副村長に委ね、私は来たばっかりなので、今回はとりあえず確認をするにとどめています。与えられた仕事をやるだけじゃなくて、計画的にやろうという意識を植え付けたいです」

――前村長の時代は?

 「やってないです。議会で前からずっと促してきたけど実施してない。評価制度そのものを評価してないんでしょう。評価をしてそのタイプに合ったやり方をしていくのが民間のやり方。それと同じ方法でやった方がいいですよ」

――“役場の掟”“役場の論理”で生きてきた人たちにとって、“奉仕”は一番遠いところにあるような気がします。そこで名嘉村長のように民間の……実際に農業や民宿もされている立場から見ると、どう映るのですか。

 「職員の意識を変えることが大変かもしれません。高校を卒業してすぐ役場に入ってくる職員がいますが、かれらは実社会での経験がないんです。民間を経験して来るのとしないで来る、そこの違いは大きいですね。

 ある職員は経験が浅いにもかかわらず現場を任され、周りに相談できずに悩んでいました。報告・連絡・相談の『ホウ・レン・ソウ』。この連携がしっかりできていれば、職員も悩まずに仕事ができます。

 土木工事では工程表を作成し、現場を見て工程管理を徹底するようにも指示しています。コンサル任せでは駄目なんです。コンサルがいる間にしっかり仕事を覚えさせ、次は自立できる態勢をめざしたいです」

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