玉城知事の台湾訪問、年度内に 「できるだけ早い時期」から軌道修正

 
定例会見で発言する沖縄県の玉城デニー知事=10日、県庁

 沖縄県の玉城デニー知事は10日の定例会見で、台湾訪問について年度内に行うとの考えを示した。また、来年1月に予定されている台湾総統選と、訪台時期の関係については「総統選に近くない時期の方が、お互いに余裕を持って対応できるのではないかと考えている」と述べた。

 県は、地域の緊張を和らげようと、今年4月から「地域外交室」を設置。玉城知事は7月に中国とのビジネスを促進する日本国際貿易促進協会(会長・河野洋平元衆議院議長)に同行する形で北京を訪問し、李強首相と面談している。

 それに先立ち、6月には習近平国家主席が中国共産党の機関紙「人民日報」の1面で「琉球」に言及し、憶測を呼んだ。

 当初、県は内部で早ければ9月の知事による台湾訪問を計画し、台湾側にも伝えていたものとみられる。県議会6月定例会でも、溜政仁知事公室長は「今年度内のできるだけ早い時期に知事の台湾訪問を実現したい」と述べていた。今回、知事の発言により、軌道修正を図ったようにみえる。

 玉城知事は「特に考え方に変化があったということはない。従来、沖縄県の中国や台湾への訪問については、翁長(雄志)知事についてもそうだったが、中台それぞれを訪問して、しかるべき方々との交流、経済についての対話を交わしてきたと認識している」と述べた。

 また、「私も副知事と分担をしながら、外交の日程が(県)議会の開会などもからめて非常に、年内が立て込んでいる状況になっている。時期については十分、検討したいと、これまでも考えてきた」と語った。

 その上で、「今回の台風(6号)のように、急に何があるか分からないという状況も勘案すると、できれば少し余裕を持った方が良いのではないかという県庁内の意見もある。年度内に訪問するという方向で、焦ることなく日程を押さえ、どのような方々とお会いできるのかということも、しっかりと連携していきたい」と強調した。

 (記事・写真 宮古毎日新聞)

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