菅政権は沖縄とどう向き合うのか カギは河野太郎沖縄担当相か

 

沖縄振興にも大なた?

 河野氏の「無駄撲滅」の目が沖縄に向けられたことがある。2017年、アイドルグループAKB48の「選抜総選挙」の関連イベントに、沖縄振興予算の一部である一括交付金が充てられていた件だ。当時自民党の行革推進本部長だった河野氏は、ブログで沖縄県の政策立案について「一事が万事こういう使われ方をされているならば問題は大きい」と批判的に分析している。


 沖縄・北方担当相として河野氏が今後向き合うのが、まさにこの沖縄振興予算に関する政策決定だ。加えて、22年度以降の沖縄振興計画をどうしていくかを決める議論もこの先1年が山場となる。自治体に使い道に関する裁量がある一括交付金の存廃、採算性に課題を残す鉄軌道、増え続ける沖縄科学技術大学院大学(OIST)の経費などに、「コストカッター」の異名をもつ河野氏の大なたが振るわれる可能性は否定できない。泡盛の酒税軽減措置や経済特区など、沖縄に特化した税制優遇制度も例外ではない。


 約半世紀前、本土復帰後の沖縄の振興に取り組む上で「償いの心」を説いたのは、山中貞則・初代沖縄開発庁長官だった。その後、政治家や官僚は戦後生まれへと世代交代し、今や「償いの心」を口にする者はほとんどいない。前述の自民党関係者は「もう沖縄は聖域ではないということだ」と付け加えた。

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