「周りと違っても大丈夫」 講演300回超 企業協賛でLGBTパンフ発行
- 2020/9/8
- 社会
LGBT(性的少数者)や性の多様性についての講演などを行う「レインボーハートプロジェクトokinawa」(竹内清文代表)は、主に生徒に向けた啓発パンフレットを発行した。県内11の企業・団体が協賛し、自らの性の在り方などと孤独に悩む子どもたちの力になりたいと思いが一致した。パンフレットの1ページ目には「周りとちがっても大丈夫」。LGBT当事者でもあり、“求められる男らしさ”と自身のギャップに悩んだ少年時代の竹内さんが、当時誰かに一番言ってほしかった言葉を、県内の子どもたちに届けている。
LGBT県内では「比嘉さんの2倍ぐらい」
「レインボーハートプロジェクトokinawa」は2017年4月に発足。代表である竹内さんの他、県内を中心に養護教諭・教諭ら9人が推進メンバーとして活動する。竹内さん自身は2016年から県内小中高校を中心に、教員研修や社員研修などのべ300回以上の講演を続けており、多様性を尊重する心や自己肯定感を育むためのメッセージを届けてきた。
パンフレットは合計で1万4000部作成し、学校現場などに配布している。新型コロナウイルスの影響で学校での講演会が難しい中でも、子どもたちに知識を届けたいとの思いからだ。
パンフレットではLGBTが人口の約5%いることに触れ「沖縄県では約72,000人、比嘉さん(という姓を持つ人の)の2倍ぐらい」と、より実態をイメージしやすいように説明。性の多様性を尊重した取り組みとして、身近な学校現場を例に男女混合名簿や制服選択制なども紹介している。
他にも、LGBTは周りにいないのではなく、知られることを恐れて誰にも言えない人が多くいること、人間だけではなく他の種にも見られる普遍的なことなども書き収めている。具体的な相談窓口や先生からのメッセージを載せることで、安心感も与えている。