「産官学」で交通事故防止 沖縄県警や琉大など9団体、成果を報告

 
レンタカーに配備されている車載タブレット用アプリ「スマイルくん」。運転手の安全運転の状態で3色に変化する

 沖縄県内の交通事故削減などに向けて連携協定を締結している沖縄県警やトヨタレンタリース沖縄、琉球大学など9団体は18日、那覇市の県警本部で記者会見を開き、取り組み状況や実証実験の成果などについて発表した。

 2021年12月からトヨタ・モビリティ基金を中心に同協定を結び、各企業や団体それぞれのデータを持ち寄って、危険地点の特定や事故原因の究明など、交通事故の未然防止に向け実証実験をしてきた。

 23年2月からは県警と連携協定を結び、「産官学」で県内のレンタカーにおける交通事故対策に努めた。

 この取り組みを「沖縄ゆいまーるプロジェクト」と命名し、実証実験期間も25年3月まで延長する。

 会見で、トヨタレンタリース沖縄は、車載タブレット用アプリ「スマイルくん」を紹介。同アプリは、運転手に安全運転の状態を3色で示したり、事故が多発する地点に近づくとアラートで通知をしたりする。

交通事故削減に向けた取り組み「沖縄ゆいまーるプロジェクト」の取り組みと成果を発表したメンバーら=18日、沖縄県警本部

 レンタカー50台に搭載し、累計1800件の貸し出しで運転手の行動変化を確認したところ、20~23年にかけて事故発生頻度が外国人は55%、日本人では38%減ったという。

 JTBはスマイルくんを通じて観光地の推奨をし、交通渋滞の緩和や分散周遊を促進した取り組みを紹介した。レンタカーで県内を走行中、スマイルくんが目的地までの道のりの間に立ち寄れる、おすすめのカフェや施設などのスポットを案内するシステムを構築することで、運転手に行動変容を促した。該当車両数は564台。

 実証実験では、本部町の美ら海水族館が最終目的地のレンタカーに対して、車載ナビとは異なるルートにある3カ所のおすすめスポットを案内することで、隠れた観光目的地の訴求や渋滞緩和につながったという。

 システムを搭載した564台のうち、18%が行動変容につながった。また、おすすめした3つの施設についても訪問数が約2.3倍に増加した結果を報告し、地域経済の活性化にも寄与したことを強調した。


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