緊急事態宣言適用の要請見送り 対応が後手の印象拭えない

 
沖縄県庁

 新型コロナウイルスの新規感染者の数が18日、沖縄県で過去最高の168人に上った。連休明け後に急増していた新規感染者は、15日には160人に達していた。16日に78人、17日に59人といったんは減ったかのように思われたが、これまでも日曜や月曜は感染者の数が少なくなる傾向にある。それだけに油断はできないと思われていたが、それにしても過去最高に上ったことに強い危機感を覚えざるを得ない。

 そんななかで、緊急事態宣言適用をめぐる県の姿勢に歯がゆい思いがする。

 沖縄県では現在、16の市町がまん延防止等重点措置の対象地域とされているが、宣言が適用されれば、県内の全市町村が対象となり、飲食店に対する時短営業にとどまらず、休業の要請や命令が可能となる。

 17日に開かれた県の専門家会議では、宣言の適用に賛成する委員が多数を占めたという。感染の拡大を食い止めるには、強い措置で人の流れを抑制することが欠かせないからだ。

 その一方で、委員からは「宣言を出すのなら連休前にすべきだった」との指摘も出た。連休で県外から沖縄を訪れた観光客の数は、県の推計で10万7千人あまり。人の往来によって感染が広がることは十分に予想できたことだ。「連休の余波が現れてから慌てて出すのは順序が逆だ」とも専門家会議で指摘されたが、宜なるかなと言うしかない。

 こうした厳しい意見を受けた翌日の18日、県は緊急事態宣言の適用を国に要請するかどうか協議した。県は新たな制限として、飲食店に酒類の提供を終日自粛するよう求める措置を取ることも検討しており、これについても話し合われた。しかし、東京に出張中の玉城デニー知事もオンラインで参加した会議の結果、宣言適用を国に要請することも、酒類の提供を自粛するよう求めることも、どちらも見送られ、19日以降に再度会議を開いて決めることになった。

 最終的な決定を前に、経済界に県の方針を説明して理解を得たいとする玉城知事の意向を踏まえてのことだという。会議後、謝花喜一郎副知事は記者らに「見切り発車は県として避けたい」と述べた。

 確かに経済界からは緊急事態宣言の適用や酒類の提供自粛などの厳しい制限措置について、その前に県が取るべき対応があるとして批判的な意見が県に寄せられていた。経済界のそうした声に配慮せざるを得ないというのが県の立場なのであろうが、それにしても、今はコロナの感染拡大を食い止めることができるかどうかの瀬戸際である。県が強いリーダーシップを発揮する時ではないだろうか。対応が後手に回っている印象が拭えないのは何とも残念である。

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