沖縄本島の5病院に配送 医療従事者向けワクチン

 
南部医療センター・こども医療センターにもワクチンが配送され、ディープフリーザー(左)に保管された。右はワクチンが入っていた箱=3日、南風原町

 新型コロナウイルス対策の「切り札」とされるワクチンで、先行接種が行われる医療従事者向けの第1回目分が3日、沖縄本島の県立病院など5カ所に配送された。今回、県内に届けられるのは、米ファイザー製ワクチン計7箱で、八重山病院は4日、宮古病院は5日に配送される予定となっている。

 ワクチン1箱には195瓶が入っており、1瓶当たりで5~6回の接種をすることができる。沖縄本島では、南部医療センター・こども医療センター、北部病院、中部病院、琉球大学病院、浦添総合病院に各1箱、宮古、八重山にも1箱ずつの配送が予定されている。北部病院では、5日にも最初の接種が行われるという。

 第1回目分のワクチンは8日の週にも7箱が到着する予定で、合計14箱で1万3650人~1万6380人分となる。ファイザーのワクチンは約3週間を空けて2回目の接種が必要で、2回目分の計14箱は今月第4週~第5週に届くという。

 一方、県内で先行接種に該当する県内の医療従事者(救急隊員、海上保安庁、自衛隊職員を含む)は約5万7000人。県の担当者は、「(現状では)やはり本数が足りない。いまコロナ患者を受け入れている病院を中心に、救急救命士等を優先する考え。今後は、専門家の意見を踏まえて考えていきたい」と述べた。

 3日に配送された5病院のうち、県立南部医療センター・こども医療センター(和氣亨病院長)には午前10時10分にワクチンが到着し、ディープフリーザー(超低温冷凍庫)に保管された。195瓶のうち14瓶を久米島病院に配分するほか、4瓶はセンター近隣にある消防署等の救急救命士に接種予定という。

 和氣病院長は「職員1400人のうち、1200人が接種を積極的に希望している。感染症患者に1番近いコロナ病棟、救急室、集中治療室、検査室等の職員が最優先。現場の最前線にいる医師たちも優先的に接種していきたい」と述べた。

 その上で、「ワクチン接種で感染しにくい体質になるので安心感を持って業務に臨めるが、新しい生活様式をやめるわけではない。今まで通り感染対策を取りつつ、ワクチンでさらにガードを固めていくという理解をしている」と述べた。

県「引き続き感染対策を」

 今回のワクチン到着により県内でも接種が開始されることになるが、医療従事者に続く高齢者(65歳以上)に接種するためのワクチンが到着するのは4月以降になる。高齢者への接種も当初は限定的に行われる見込みで、県民全体に行きわたるのは来年2月ごろになるとされている。

 県の担当者は、「若い人が(新たな感染者の)中心になっている。感染経路が分からない若い感染者の割合も増えており、そこから再び感染が広がらないか警戒が必要。緊急事態宣言が解除されても、飲食などでは感染例が出ている。十分に気を引き締めてほしい」と、引き続き感染対策を継続するよう呼び掛けた。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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