オミクロン株、沖縄を守るのは「社会全体での柔軟な対応力」

 

 1月7日の新型コロナウイルス新規感染者数が1414人に達し、空前の感染爆発に見舞われている沖縄。重症化率は低いものの感染力が非常に強いとされるオミクロン株の流行で、これまでにない状況が表出しつつあります。医療や福祉の現場に再び広がっている感染が、私たちの想定を超える困難を来すことは必至です。

 今回の状況はこれまでと異なる部分も多いとはいえ、不十分な科学的根拠の中、社会が協力して乗り越えていかなければならないのは同じです。限られた知見を総動員し、冷静に、「沖縄の社会、沖縄の子供たちを守るコロナ対策」を見極めていく必要があります。そこで社会全体として必要となってくるのが「柔軟な対応力」です。

今、最も急ぐべきこと

 正月から急拡大していった沖縄のコロナ感染。県内における1日の新規感染者数は、12月30日から1月2日にかけて毎日50人前後だったものが、前述のとおり7日には1414人にまで及び、感染拡大に歯止めがかからない状況です。今後どこまで増えるのか、現時点ではもはや想定すら難しいかもしれません。

 さらに、12月18日のキャンプハンセン内で起きた大規模クラスターに始まった米軍基地内での感染拡大も全く収まる気配がありません。感染が拡大する沖縄、山口、広島の各県知事は、米軍基地から市中感染に広がったとする見方を表明するなど、オミクロン株は米軍から広がったという主張が強まっています。1月6日の岸田首相の記者会見では、この点を問う質問が相次ぎましたが、断定はできないとして米側に配慮した答弁に終始しました。

 しかし、今大事なことは、オミクロン株の流入元の特定を急ぐことではありません。政府の水際対策や米軍の感染対策は、後にしっかり検証されるべきではあるものの、緊急事態である今、社会の安定に向けて、何よりスピード感をもって柔軟に対応していくことが最重要ではないでしょうか。先んじてオミクロン株が驚異的に拡大した各国の状況を見れば、日本にも同じ状況が訪れることは当然想定できたはずです。また、これから全国でも同様に拡大していくことを見込まなければなりません。十分な科学的根拠が揃ってないとはいえ、これまでの経験や現時点での知見を総動員して、冷静に対応を選んでいく必要があるのです。

想定を超える困難に柔軟に対応できるか

 まん延防止等重点措置の適用が7日に決まったことにより、個人の感染防止対策徹底に加え、飲食店の時短営業要請やワクチン接種の更なる促進といった県の対応方針が公表されました。示された対策がこれまで同様に重要であることはもちろんですが、今回の特別な感染状況に合わせた柔軟な対応の視点が欠けているのではないかと感じる部分もあります。

 例えば、今回の感染拡大では、感染スピードがこれまでに経験のない速さとなっており、PCR検査の受検者や陽性者対応(入院・宿泊等の調整や濃厚接触者の判定など)の件数が一気に膨大な数に達している状況です。PCR検査機関には長蛇の列ができ、陽性者への対応を担う保健所にも一気に大量の業務が押し寄せているに違いありません。感染者数がこれまでにない程に増えるなら、対応する人間の数も増やすほかありません。これまで重要視してきた病床数の確保(病床利用率)よりも、そもそも対応人員の融通が切迫した課題になるのではないでしょうか。

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