1都3県の緊急事態宣言解除へ 県内の期待と不安

 

 政府は18日、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため首都圏の1都3県に発出している国の緊急事態宣言を21日で解除すると発表した。観光が主要産業の沖縄県内では、首都圏の観光客増に期待の声も上がる。一方、県内の感染者数は増加傾向にあり、県は経済と感染拡大防止の両立に苦心している。

 首都圏は、沖縄の入域観光客数で大きな割合を占める。新型コロナ感染拡大前の2019年の実績では東京方面からの観光客は348万人で、国内客723万人の5割近く、インバウンドを含めた観光客全体(1016万人)の3割以上を占めた。

 新型コロナウイルスの影響で入域観光客数が全体で373万人と大幅に減少した2020年でも、東京圏からは176万人が沖縄を訪れ、関西の73万人、福岡の44万人、名古屋の29万人を大幅に上回った。入域客減に苦しむ観光業界にとって、緊急事態宣言の解除による東京圏からの入域客増は、回復への後押しになると言える。

 県ホテル旅館生活衛生同業組合の宮里一郎理事長は「(国の緊急事態宣言が)解除されると、今より良い数字が出るだろうと期待している。感染対策をしっかりと行い迎え入れたい」と語った。一方で、県内で変異株が見つかっている現状についても触れ「もう少し感染が落ち着かないと、正々堂々と沖縄は安全ですと言いづらい面もある」と、苦しい心境を吐露した。

県内での感染者数は増加傾向

 足元では、県内の新型コロナ感染者数が増加傾向にある。2月中旬は20人以下だった1日当たりの新規感染者は、3月に入り徐々に増加。18日と19日は、いずれも40人を上回った。19日までに、県の警戒レベル指標のうち直近1週間の新規感染者数と療養者数の2指標が、約1カ月ぶりに最も高い第4段階の「感染まん延期」に達した。

 19日に会見した玉城デニー知事は、現在の感染状況について「県の緊急事態宣言が終了した後から(県内感染者数の)数字が下げ止まっていたかと思っていたが、そうではなく、感染の拡大が始まっているというように数値が上がってきている」との認識を示した上で、「私は第4波の入り口に立っているのではないかと、非常に強い危機感を覚えている」と強調した。

県内の感染状況などについて厳しい表情で語る玉城知事=19日、県庁

 また、会見に同席した県専門家会議の委員で県立中部病院・感染症内科医の髙山義浩氏は、県内の感染状況が十分に下がらないまま、再び感染が拡大しつつある理由について、沖縄の歓楽街や飲食街で、県民だけではなく、渡航者も交わりながら飲んでいることを指摘した上で、「世代を超えて交流がとられやすいというのも沖縄の特徴ではないかなと思う。地域の密接さというものが、持続流行の原因になっていると感じている」との認識を示した。

感染対策への意識強化を

 県内旅行消費額が、県内総生産の2割に当たる「観光立県」沖縄。国際通り周辺で土産品店を営む店主は、「現状は補助金を活用して、コロナが落ち着くのを待っている状況。3月からは修学旅行や卒業旅行などで少し客足は伸びているが、売り上げはコロナ前と比べて半分もない」と語る。

 また、もち屋の店主は「関東からのお客様が増えることはうれしいが、感染が拡大する可能性があるのでそこは心配だ」と述べた。全国的にも新規感染者数の下げ止まりが言われる新型コロナにどう立ち向かうか、県だけでなく県民の感染対策への意識が求められている。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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