不妊治療 助成拡充で負担軽減なるか 国は保険適用拡大方針

 

 日本産科婦人科学会は今年10月、国内で2018年に体外受精で生まれた子どもは、過去最多となる5万6979人に登ったと発表した。同年の厚生労働省による統計では、総出生数が91万8400人で、16人に1人が体外受精で生まれた計算になり、この割合は年々増加傾向にある。不妊の原因は女性だけでなく男性の場合、男女両方、原因不明のケースもある。近年は晩婚化が進んだことで、妊娠・出産を希望する年齢が高くなっていることも、不妊が多くなっていることの要因の1つとされている。
 菅義偉政権は少子化対策の目玉として、不妊治療の公的医療保険適用拡大を掲げており、厚労省は医療費助成額の引き上げる方針をまとめた。

助成額を倍増、回数制限も緩和

 不妊治療を受ける人への費用助成は、現行では初回30万円で2回目以降は15万円となっているが、厚労省の見直し案では2回目以降の助成額も30万円に倍増。さらに、年齢に応じて通算6回までとしている回数制限についても「子ども1人につき最大6回」に緩和する。このほか、夫婦合計の所得が730万円未満としていた制限も撤廃し、事実婚のカップルも支援対象とするなど、大幅な見直しを行う方針を示している。公的医療保険の適用拡大については2022年度実施を目指しており、それまでの措置として20年度中にも助成制度拡充を実施する。

 治療費用は、公的保険が適用されれば自己負担は3割だが、現行の適用対象は不妊原因の検査など一部にとどまる。体外受精や顕微受精などの処置は適用外で、上記の条件を満たして国の助成を受けることができなければ、全額自己負担となる。

 治療にはいくつかの段階があり、高度になるほど費用が高くなる。超音波検査などで妊娠の確率が高い時期を見定める「タイミング法」(1回につき数千~1万円程度)、子宮内に精子を注入して受精を試みる「人工授精」(1回につき1~数万円程度)、卵子と精子を体外で受精させる「体外受精」「顕微受精」(1回につき数十万円程度)という順に進めていくのが一般的だ。

高額化で若い世代が断念

 不妊で悩む人の支援を行っているNPO法人「Fine」の不妊治療と経済的負担に関するアンケート(2018年m)によると、2010年の調査と比較して体外受精・顕微受精の1周期あたりの平均治療費が「50万円を超える」と回答した割合がともに2倍以上に増加しており、治療費が高額化している傾向を指摘している。これに関連し、経済的な理由で次の段階の治療に進むことを躊躇・延期・断念した経験がある割合は半数以上にのぼっており、20代後半~30代前半にかけての年代が多いことも分かっている。

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