コロナ禍での観光受け入れ指針を改訂 県・観光・医療関係者が協議

 
観光客受け入れ体制について議論する関係者

 県は3月29日、観光関連団体や医療関係者が参加する「新型コロナウイルスに負けない安全・安心な観光地づくりに関する対策会議」の第5回会合を那覇市の沖縄産業支援センターで開いた。協議会では主に、コロナ禍での観光客受け入れ体制を考慮して昨年6月に策定した「旅行者の安全・安心アクションプラン沖縄 Tour Style With コロナ」の改訂について議論した。

 策定以降に取り組みを開始した「旅行者専用相談センター沖縄(TACO)」の離島空港への分室設置や希望者の検査をする「那覇空港PCR検査プロジェクト(NAPP)」などを「アクションプラン」に新たに組み込むことを提案した。改訂版は次年度早々にも公表する予定だ。

 協議会終了後、県文化観光スポーツ部の渡久地一浩部長は「TACOとNAPPの双方の取り組みについては、観光業界、医療業界から好意的な評価をもらっている」と説明。加えて、次年度からはTACOとNAPPの運営を一元化して取り組みを継続していく方針も示した。

 「アクションプラン」は水際対策と発熱者・感染懸念者発生時の取り組みや、旅行者視点・旅行行程に沿った対策の整理などを柱に、県と観光関連業界、医療界の意見も組み込んで策定。内容は感染状況などを踏まえて適宜見直していく。

 協議会の意見交換では、感染防止対策徹底宣言を示す「シーサーステッカー」の有効性を向上させるための掲示店舗の定期チェックの必要性や、状況変化の節目に応じて随時協議会を開いて対策を講じていくべきという意見が挙がった。
 また、感染者の拡大については移動そのものではなく、あくまで移動先での飲食の場で広がっていく傾向があり、単純に観光自体が大きな感染リスクを孕むわけではないといった指摘もあったという。

那覇空港には徐々に旅行客が増えてきている

 県が発表した昨年6月19日~今年3月14日にかけての約9ヶ月間のTACO実績の数字では、那覇空港のサーモグラフィー通過者数が出発・到着を合わせて4,916,505人。そのうち体温が37.5度を超えたのは15人で、問診実施件数が12件、救急搬送数は3件となっている。PCR検査への案内数は0件だった。

 渡久地部長はTACOの実行性・有効性について、定量的な面から旅行者と感染との明確な相関係数を見出すのは未だ難しいとしながら「空港での発熱チェック実施を周知し、実際に行っていくことで、旅行者の方々1人1人への体調管理の徹底を促す1つの抑止力として機能していると考えている」と述べた。


真栄城 潤一

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1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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