沖縄本島中南部で時短要請 新型コロナ対策

 

 玉城デニー知事は29日、県内で新型コロナウイルスの感染が拡大しているのを踏まえ、沖縄本島中南部の離島町村を除く全20市町村を対象に、飲食店などの営業時間を午後9時までとする時短要請を行った。玉城知事は「驚異的な速度でリバウンドが起こっている。第4波が到来したと言わざるを得ない」と強調した。

 2月末で県独自の緊急事態宣言が解除されて以降、県内では感染が増加。3月初旬に18人程度だった1週間平均の感染者数は、第3週は約36人、直近1週間は約73人と急増傾向を見せている。日曜日だった28日に新規感染者が68人、29日には42人と感染者数は減少したように見えるが、同じ曜日同士で比べると、前週より増えた。

 特に、推定感染源が飲食とされた感染例が急増しているといい、県は営業時間の短縮が必要と判断した。期間は4月1日~21日で、協力金として計84万円を支給する。県は、同協力金に必要な費用として2021年度の第一次補正予算案129億4100万円を県議会に追加提案する。

感染者、20代~40代が多数

 29日の会見では、県独自の緊急事態宣言が解除後、わずか1カ月で時短要請に再び踏み切らざるを得なかったことについて、記者団から「宣言解除のあり方に課題があったと思うか」との質問も出た。

 これに対し、玉城知事は「確かに、(宣言期間中に)感染者数がゼロになる状況までは改善できなかったが、社会経済活動も総合的に判断すると、いったん解除して引き続き県民に(感染対策を)呼び掛けていこうと確認して緊急事態宣言を終了した。しかし、20代~40代の非常に活動的な世代の方々が交流することで感染が拡大してしまった」と述べた。

 県は感染拡大を防止するため、時短要請のほか、県民に対して通院や生活必需品の買い出し、出勤、運動など「生活や健康の維持に必要な場合」を除き、外出を控えるよう要請した。また、歓送迎会など、飲食につながる年度初めのインベントについても自粛を求めている。

 清明祭についても「いつも一緒にいる同居家族等と、できるだけ少人数かつ短期間で実施してほしい」と呼び掛けた。

感染拡大なら「次のステップ」

 29日は、自治体が飲食店への営業時短命令など強い対策を取れる「まん延防止等重点措置」についての質問も出された。同日に大阪府が国への申請を表明した措置だが、玉城知事は「関係者と議論をしているが、協力要請でということになった」と述べ、現状では同措置を申請しない方針を示した。

 その後に会見した、県保健医療部の糸数公保健衛生統括監も「同措置は、様々な所で影響が及ぶので、最初のステップとして時短(要請)をかけようという形の議論だった」と説明した。一方、「今後、もし感染が収まらないようであれば、次のステップを考えることになる」とも述べ、同措置の申請に含みを残した。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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