沖縄振興予算、財務省が大幅減提示

 
沖縄県庁

 内閣府は21日、2022年度の沖縄振興予算について財務省が2403億円を提示したと明らかにした。これまで、沖縄県は3000億円台を求めていたが、非常に厳しい姿勢が示されたことになる。西銘恒三郎沖縄担当相は、22日に行う大臣折衝で増額を求めるとみられ、24日とされる予算案の閣議決定に向けて駆け引きが続きそうだ。

 沖縄振興予算をめぐっては、2013年に当時の安倍晋三首相が仲井真弘多知事に対して3000億円台を8年間継続すると表明している。今年度は、その最後の年に当たるため政府の判断が注目されていた。

 21日は、自民党の沖縄振興調査会(小渕優子会長)で内閣府が2022年度予算案について説明し、財務省の考えが示されたという。内閣府が8月に行った概算要求額2998億円から、大幅な減額となった。

 沖縄振興予算のうち、使途について県や市町村の自由度が高い「一括交付金」については481億円が示された。一括交付金は、これまでも減額傾向にあったが、前年度981億円と比べても半分以下の金額といえる。

 21年度は、1972年に沖縄が本土復帰してから5次にわたり続いてきた「沖縄振興計画」で現行計画が終わる節目にもあたり、県は次期計画の策定などを進めている。国は、「沖縄振興と車の両輪」ともいわれる政府系金融機関、沖縄振興開発金融公庫については存続させる方針を示したが、予算面では厳しい提示となった。

 来年は、1月の名護市長選、南城市長選を皮切りに、秋の知事選まで選挙が続く沖縄の「選挙イヤー」。政府が推進する米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について、沖縄防衛局の設計変更申請を県が不承認とするなど、国と県が対立する中、今後は政治の動きも注目となる。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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