驚愕426kg!巨大山芋作り絶対王者山田さんが芋から学んだ事

 

 沖縄県内中の「巨大山芋」を作る猛者たちが日頃の集大成をぶつけ競い合う「全沖縄やまいもスーブ大会」で、425.8kgもの山芋を作った絶対王者がいる。うるま市在住の山田正さん。過去17大会中、優勝14回、準優勝3回で巨大山芋界のレジェンドである。2月5日にうるま市のうるマルシェで行われた同大会では、2位が約260kgと、その差約170kgの大圧勝だ。

 「山芋チャンピオンの重量を当ててお米をGET!」という催しもあったのだが、この規格外の記録で当てた人はゼロだった。山田さんはすでに500kgを超える山芋作りの手ごたえを感じているという。どのようにしてこんなに大きな山芋を作ることができているのか。

長年の研究とアイデアで追随を許さない

 「全沖縄やまいもスーブ大会」の「スーブ」とは、沖縄の言葉で「勝負」の意味。普段は中古車販売店の社長を務める山田さんだが、それ以上に情熱を傾けていると言っても良いのが山芋作りだ。

 山芋作りを始めたのは、26年前。天候・かん水・肥料の量やタイミング等をノートに記録し、結果と照らし合わせる。その蓄積されたデータを分析して戦略を立て、前年の記録を上回ることが何よりの喜びだという。

「今年は誰も達成したことがない400kg台を目標にしていたんだけどね、達成できるって分かっていたよ。例年より平均気温が0.5℃高くて、夏場は台風も無く葉が成長した。秋は若干涼しくて、そりゃあ大きくなるよねと」

26年間の情報を蓄積した記録ノートを持つ山田さん

 アナログで収集したビッグデータと経験が、真似できない巨大山芋を作り出す。少しでも巨大芋作りに応用できそうなことがあればと、常に感度を高く持つことを意識していると話す。

《大きい山芋作りのポイント①『葉をとにかく広げる』》

「光合成をたくさんしてもらうために、とにかく葉を広げるわけよ。作物の上にネットを設置して、葉っぱを水平に大きく広げてもらったら太陽の光をたくさん浴びられるでしょ。これは太陽光発電のパネルを見て思い付いたよ」

《大きい山芋作りのポイント②『自然現象よりも先手で動く』》

「自然が相手なので、常に先読みする必要があるわけさ。雨の日の前日に窒素系の肥料を入れるとか、芋の大敵である台風が来るよりも先に対策しておくとか」

《大きい山芋作りのポイント③『常に芋の気持ちになって考える』」》

「水やりをするにしても、どの時間帯が一番喜ぶか考える。夜寝る前に飲む水が一番美味いんじゃないかって。人間もそうだよね?自分の都合ではなく芋の都合。夜中の11時に畑で水やりしてるよ」

年に1度の収穫は、まるで宝物を掘る感覚だという。

「二度と同じものは出てこないからね。でも最近は落ち着いて収穫できているね。大体想定していた通りの大きさになっているから。自分の自信にマヒしてるっていうのかな」

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