首里城瓦のウクレレ、どんな音?県産木材にこだわる工房が製作

 

 読谷村にあるウクレレショップ「Pua melia(プアメリア)」を営む大城欣哉(よしちか)さんが、首里城火災の破損瓦を材料として埋め込んだウクレレを制作・販売している。沖縄県が呼びかける「首里城破損瓦利活用アイデア」で瓦を入手した。赤瓦を使用したのはボディとネックの一部、指板、ペグの部位に加え、ヘッドの中央部にも首里城の御庭(ウナー)のデザインをイメージして組みこんだ。木材にも実際の首里城復元に使われる素材を使用。ボディ材はオキナワウラジオガシ、ネック材はチャーギで、赤瓦と合わせて「小さい首里城」としての世界観をウクレレで表現している。

焼失前の首里城正殿。手前に見える御庭のデザインを赤瓦ウクレレのヘッド部分に取り入れた。

赤瓦ウクレレの音はどんな音?

 その他、指板上にあるポジションマークには夜光貝を使用しており、まさしく「沖縄素材全部乗せ」状態だ。使用した瓦は、国王や王妃・王母のプライベート空間として使われていた黄金御殿(くがにうどぅん)で使われていたものとみられている。赤瓦はボディ表面部の裏から当てて接着し、弦の張力も利用してしっかりと固定されている。

 その音色は従来のウクレレに比べて、赤瓦の質感同様に固い響きを持ち、高域が澄んでいるのが特徴だ。首里城やその歴史が物語るシックさが際立ちながらも、ウクレレという楽器そのものが持つかわいらしさや優しさが同居した音色を響かせる。

YouTubeチャンネル「世界のウチナーネットワーク」より

県産木材を使ったオリジナルブランドを展開

 大城さんがウクレレ作りを始めたのは、2010年のことだ。趣味の一環でYouTubeなどを参考にしながら完全に独学で製作法を習得。ウクレレ作りは本格化していき、2013年に今の店舗「Pua melia」を開いた。

 同店は、沖縄県産の木材を使った自社ブランド「Shuli ukulele」を展開していることが特徴だ。沖縄県内ではウクレレ工房自体が珍しく、県産木材にこだわって制作している工房としては唯一だという。

 「Shuli ukulele」は、文字通り首里を意識したもの。大城さん自身も、小学校1年生までは首里城に隣接する城西小学校に通っていた。幼い日々の思い出は首里と共にあった。

 首里を一般的なローマ字表記である「Shuri」ではなく「Shuli」としているのは「地名をそのまま使うと申し訳ないから」(大城さん)。土地へのリスペクトは忘れない。

 大城さんは「後から知ったのですが、そもそもハワイの言葉では『r』を使うことがないようで、『l』にしたことで結果的にハワイらしくなりました」とほほ笑む。

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1.  10月1日、株式会社プロアライアンスと琉球朝日放送株式会社(QAB)が協同して構築した、…
  2.  「久しぶりー!」「元気だったー!?」と、賑やかな声が飛び交う。10月2日に開催される「沖…
  3.  安室奈美恵、MAX、DA PUMP、SPEED、知念里奈、三浦大知…沖縄発で今現在も大活…
  4.  感染者数は依然として収束を見ないが、「ウィズコロナ」の広がりから徐々に国内からの入域客数…
  5.  サッカーJ2のFC琉球が、いよいよ崖っぷちに追い込まれた。  琉球は9月18日、沖…

特集記事

  1.  敵味方、民間人、軍人、国籍問わず、沖縄戦などで死没した全ての人々の氏名を刻む「平和の礎」…
  2.  2022年“選挙イヤー”の沖縄で最大の政治決戦となる9月11日の県知事選は、米軍普天間飛…
  3.  今年で本土復帰から50年の節目を迎える沖縄。9月11日には14回目の県知事選挙が行われる…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ