沖縄の緊急事態宣言、4カ月ぶりに解除へ

 
会見で県の方針を説明する玉城デニー知事=28日夜、県庁

 政府は28日、沖縄を含む19都道府県に発令している緊急事態宣言について、「まん延防止等重点措置」への移行を経ずに全面解除すると発表した。沖縄県の玉城デニー知事は同日夜、飲食店での酒類提供を条件付きで認めるなどの、新たな方針を発表した。感染状況によっては、緩和や厳格化もあるとした。

 沖縄への緊急事態宣言は、5月23日に発令。当初は6月20日までとされたが、その後は5回に渡って延長された。沖縄では1月下旬~2月には県独自の緊急事態宣言が発出され、4月中旬からは「まん延防止等重点措置」が適用された。今年は、2カ月程度を除いて、何らかの緊急措置が取られていたことになる。

 この間、ピーク時の8月下旬には入院者数が730人を超えたほか、沖縄本島で重症病床が全て埋まり、中等症でも入院できない患者が出るなど、医療体制が極めてひっ迫する状況となった。中部地区の病院では、約70人が死亡する大規模なクラスターも発生した。一方で、県民へのワクチン接種は急速に進んだ。

 玉城知事は28 日の会見で「宣言の解除が判断されるまで至った。県民の感染対策の取り組みに感謝する」と述べた。ただ、「ここで再拡大を起こしてしまったら、これまでの努力が無駄になってしまいかねない」とも述べ、感染対策の解除は、段階的に行う必要があると強調した。

 県独自の規制では、認証を受けた飲食店の営業は午後9時まで(認証店以外は午後8時)、酒類の提供は認証店が午後8時まで(同午後7時)を要請するとした。協力金は、1日2万5000円。ただ、強制力のない協力依頼にとどまるため、効果は未知数と言える。

 観光客などに対しては、来県自粛要請は行わず、「居住地の知事が求める移動に関する要請に従い、慎重に検討してほしい。体調不良の際は、来県の中止や延期をお願いする」とした。また、ワクチン接種を完了するか、事前に陰性を確認するよう求めた。

 県民に向けては、多人数の模合、ビーチパーティーなど飲食を伴うイベントや、普段から顔を合わせていない人とのイベントは控えるよう求めた。会食は4人以下・2時間以内で行い、できるだけ同居家族やいつも一緒にいるメンバーと行うことなども要請した。

 また、ワクチン接種・検査陰性証明の活用については、10月初旬をめどにガイドラインなどを策定し、国の制限緩和策が示されるまでの間は試行運用を行っていくとした。国によるデジタル化が進むまでは、ワクチン接種記録書など紙ベースでの運用を行うという。

「リバウンド」回避できるかの正念場

 会見では、「まん延防止等重点措置への移行を要請しないようにとの申しれは、国からあったのか」との質問も出た。愛知県の大村秀章知事の発言を受けたものだったが、玉城知事は「政府との情報共有はしていた。あれをやるな、これをやるなということは全くなかった」と述べた。

 このほか、飲食店で認証を受けている店舗が4割程度にとどまっていることなどについては「これからも継続して認証をいただいた店舗を積極的に支援していきたい」として、グルメポータルサイトに認証店を告知するなどの案を示した。

 県は10月18日に感染状況を解析し、その後に規制の緩和が可能か、厳格化が必要かの判断を行う。宣言解除に伴うリバウンドを避けることが出来るか、県や県民、観光産業にとって、本当の正念場ともいえる。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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