沖縄県知事選告示 下地氏、佐喜眞氏、玉城氏が各地で訴え 経済再生や辺野古移設争点
- 2022/8/25
- 政治
任期満了に伴う沖縄県知事選(9月11日投開票)が8月25日、告示された。届け出順に、元郵政民営化担当相で無所属新人の下地幹郎氏(61)、前宜野湾市長で無所属新人の佐喜眞淳氏(58)=自民、公明推薦=、2期目を目指す無所属現職の玉城デニー氏(62)=立民、共産、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=が名乗りを上げた。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の是非や、コロナ禍で傷付いた県経済の再生などを争点に、17日間に及ぶ選挙戦の火蓋が切って落とされた。
下地氏はオンラインで出陣式を行い、普天間飛行場の移設が計画されている名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前から中継で政策を訴えた。那覇市泉崎の県庁前にある県民広場では佐喜眞氏陣営が出陣式を、玉城氏陣営が出発式を開き、支持者や通行人に支持を呼び掛けた。
下地氏 辺野古解決して争いなくす
下地氏は、自身のYouTubeチャンネルで「出陣式」と題したライブ配信動画を午前8時半から約30分間公開した。冒頭では「2050年の下地氏が、知事として活躍していた2022年当時の仕事を振り返る」といった設定のドラマ風動画が流され“下地氏の教育政策が功を奏した未来”が描かれた。
その後に始まったライブ配信で下地氏は、キャンプ・シュワブゲート前から中継し、大半を基地問題についての提言に費やした。
「この選挙の争点は普天間飛行場の辺野古移設の問題を解決することです。(普天間返還の日米合意から)26年間、沖縄県民が争い続けている現実を解決しなければならないという思いが私にあるからです」と述べ、「基地問題が経済、福祉、教育など全ての分野の足を引っ張っており、沖縄の未来をつくっていない」として、辺野古の基地問題解決を優先すべきだとした。
国と県が基地問題関係の訴訟などで対立を深め、沖縄関係の予算が減額されているとし「争いは全てを壊す。すべてをポジティブにしないといけないんです」と訴え、解決に向けて将来的には、鹿児島県の馬毛島へ米軍の訓練移転をすることや、普天間飛行場の返還跡地を防災や観光振興の観点から軍民共用とすることなどを約束した。
また、基地問題を巡る国と県との争いを、裁判で決着を付けるのではなく、条例制定で建設自体を止めるとして「私が知事になったら防衛省は(辺野古への基地建設を)諦めるでしょう。やり方を示していますから」と自信を見せた。「これから新しい闘いのために、私はスタートします」と強い決意を新たにした。