衆議院選挙迫る<沖縄4区> 保革決戦、オール沖縄議席奪還なるか?

 

西銘氏、初入閣で勢い増すか

 改めて両候補予定者とその政策についてみてみよう。

西銘恒三郎氏(西銘恒三郎事務所WEBサイトより)

 西銘氏は自民・公明の協力を得て保守中道勢力の着実な地盤固めを進めている。折しも沖縄相として初入閣したことは、選挙までの短期間で目に見える実績があるわけではないにせよ、4区を超えて一定程度の影響を及ぼす可能性もある。

 政策では「ニシメの未来チャレンジ9」と称して、子育て、地域づくり、女性、若者、経済、離島、農林水産業、インフラ整備、外交・防衛の9項目でそれぞれ重点政策を設けている。とりわけ前述した離島振興については、航空運賃や物流コストの低減拡充や台風などに備えた防災拠点の整備、さらに救急搬送体制や専門医派遣巡回の充実など医療政策についても具体的に掲げる。加えて、これまでに宮古・石垣でのクルーズ関連の港湾整備事業などでの実績、5期のキャリアもあり、離島地域への影響力は小さくない。

 普天間飛行場の辺野古移設については容認の立場で、宮古・八重山への陸上自衛隊配備についても推進の意を示している。

 衆院解散の翌日15日付けの自身のブログで西銘氏は「2017年の当選から4年間、私とずっと一緒だった、この衆議院議員バッジには、82199人の沖縄県民の思いが詰まっています。10月31日の投票箱の蓋が閉まるまで、私は、初心忘れず、挑戦者として、全力投球で闘う覚悟です」と思いを綴った。

金城氏、保守票の取り込み狙う

金城徹氏(オフィシャルサイトより)

 金城氏は今回立民公認だが、1992年に那覇市議に初当選した際には自民公認だった。2013年のオスプレイ配備撤回・県内移設断念を求める『建白書』を提出し、後に知事に就任した故翁長雄志氏に賛同。その後、オール沖縄会議共同代表にも就任し、玉城デニー知事を支えてきた。今選挙では、元自民の経歴を生かして保守票をどれだけ取り込めるかが重要なポイントの1つになるだろう。

 オフィシャルサイトやSNSでは「命とくらしを守るコロナ対策」として、社会経済と感染対策を両立した政策を打ち出している。学生への学費半額補助や低所得者世帯への給付金の再給付、税金・社会保険料の支払い猶予と減免のほか、ワクチン接種体制と医療関係者やエッセンシャルワーカーへの無料定期検査も掲げる。さらに「16のお約束」として、子育て・教育、経済、平和、くらし、離島振興、福祉、多様性とカテゴリーを設け、計16項目の重点政策を示している。多様性については、LGBTsへの差別を解消したジェンダー平等と、選択的夫婦別姓の実現に取り組むことを明記している。

 辺野古移設は阻止の立場で、離島の陸自配備については住民の合意がなければ反対との意見だ。

 金城氏は15日に開いた政策発表会で「翁長雄志さんの意志を4区で継ぎ、1区から3区も合わせて衆院で勝つことがオール沖縄の流れをさらに強くものだと考えている。この流れを絶やすわけにはいかないという思いで選挙に臨みたい」と決意表明した。

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