【那覇市長選】元ボクシング世界王者の平仲信明氏が出馬表明 保守分裂か

 
那覇市長選への出馬を表明する平仲信明氏(左)と、後援会顧問を務める一丸秀信氏=9月14日、那覇市の県庁記者クラブ

 任期満了に伴い、10月23日に投開票される那覇市長選に向け、元ボクシング世界王者で会社代表の平仲信明氏(58)が9月14日、沖縄県庁の記者クラブで会見を開き、無所属で出馬すると表明した。これまで県内の各選挙で保守系候補を支援し、9月11日に投開票された県知事選でも自民党県連の候補者選考に名を連ねていたが、今回は「しがらみを断ち切るため、特定の政党の支援は受けない」と明言した。

 那覇市長選にはこれまでに、自民党県連が擁立を決めた前那覇副市長の知念覚氏(58)と、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力が擁立を決定した前県議の翁長雄治氏(35)の2人が出馬に前向きな姿勢を示している。知念氏と平仲氏で「保守分裂」となる可能性がある。

知念氏との保守一本化は「ないです」

 那覇市おもろまちに住んで20年近くになるという平仲氏は「コロナ禍で県経済や貧困問題が多くの問題を抱える中、クリーンでオープン、そして公正な市政をつくっていきたいと思い立候補を決めました。市だけでなく、沖縄全体に少しでも貢献できるようと思っています」と決意を語った。

 財政の健全化を進め、給食費の無料化や医療費の無料化などの子育て支援の充実を図っていくと訴えた。那覇軍港の浦添移設は「賛成」の立場で、普天間飛行場の辺野古移設については「国と国の約束だけど、今は県と国の話になってる。見守るしかないと思っています」と賛否の明言は避けた。玉城デニー県政の評価については「僕が市長になった場合は、ちゃんと歩調を合わせるところは合わせ、ダメなところはダメという形でやっていきたい」と是々非々の立場を示した。

 ボクシングを引退後、会社代表として中央の政財界とも人脈を構築してきたとして「そういう横の繋がりを大事にして、健全でクリーンな那覇市をつくっていきたい」と重ねて強調した。

那覇市役所

 自民党県連が擁立を決めた知念氏については、「オール沖縄から出ると思ってたらだんだん違う方向にいった。自民党の推薦をもらうとは思わなかったです。それはおかしいよね、と思ってます」と出馬に疑問を呈した。その上で、今後保守系候補を一本化する動きが出た場合に応じるか、という質問に対しては「ないです」と即答した。

 会見にはホテルや不動産業を営むアールジェイエステート(那覇市)の会長で、平仲氏の後援会顧問を務める一丸秀信氏も同席。一丸氏も、知念氏の出馬について「常識的に考えて、つい最近まで反対側の立場にいて、副市長をやっていた方がまさか自民党側から出るのは思いもしない」と不信感を露わにした。

平仲信明(ひらなか・のぶあき)

1963年11月14日生まれ。具志頭村(現八重瀬町)出身。日本大学農獣医学部卒。1984年のロサンゼルス五輪にボクシングウェルター級で出場。92年にはWBA世界ジュニアウェルター級王座を獲得。2003年に株式会社MUGENを設立、社長を務める。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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