県知事選出馬表明・砂川氏インタビュー「国に依存しない気概を」

 

 9月20日、突如として自身のフェイスブックで来年の沖縄県知事選挙への立候補表明を行った元県保健医療部長の砂川靖氏。フェイスブックで砂川氏は、来年で復帰から50年という転換期を迎える沖縄には未だ解決されていない課題や新たに発生した課題が山積していることを踏まえ、知事に求められる能力として政策の是非・内容を見極める判断力や構想力、交渉力、果敢に結論を下す決断力などを示した上で、7項目に及ぶ基本政策を掲げている。

 立候補に至った経緯や現県政への考え、基地問題の解決などについて、砂川氏がHUB沖縄のロングインタビューに応じた。

「現県政はパフォーマンスばかり」

―まず、現県政にはどのような点に問題があると感じていますか。

「現県政がやっていることは、マスコミや県民に向けたパフォーマンスばかりです。『やっている感』を見せることばかり考えて、結果を考えていません。問題解決のためにどうシナリオを作ってやっていくか、という姿勢が全然感じられません」

―そこで自らが立候補をしようと思い至ったのですか。

「新たな沖縄振興計画の素案が取りまとめられて、国の支援を前提とした沖縄振興が向こう10年は続くのではないかと思います。その先の新しいステージを考えていかなくてはならないという点で、今の知事よりは自分の方がまだできると思ったからです」

「県の部長をしている時から出馬を考えていました。誰にも相談せず、一人で決断しました」

-現県政に批判的な立場で立候補する点では、自民党や公明党といった政党の支援は取り付けたいお考えでしょうか。

「そのように考えていますが、少しずつ人を介しながらお話ができたらと思っております。今は衆議院選の時期なので、それが終わってから、と考えていますが、今のところはまだ繋がりがありません」

「まずは知名度を上げることを当面の課題とし、県政野党の統一候補を目指したいですね」

「国に頼ることを前提としない気概を」

―経済的な豊かさの実現や安全・安心な社会の構築、米軍基地問題と戦後処理問題の解決など7つの基本政策を掲げています。

「これはまだ方向性の段階ではあります。さまざまな人々の力も借りながら、来年夏には公約を固める予定です」

―沖縄振興についてのお考えをお聞かせください。

「沖縄振興がある理由として、沖縄が持つ4つの特殊事情が挙げられています。そのうち『歴史的事情』はもう変えようがないわけです。沖縄戦があって27年間米軍の施政権下に置かれたというのは、未来永劫変わりません。同じように『地理的事情』『自然的事情』も変えられるものではありません。一方で米軍基地が集中しているなどの『社会的事情』だけに着目すると、沖縄振興は基地の見返りなのかというように受け取られてしまいます。
 米軍支配から60年が経とうとするわけです。これからは、国に頼りっきりになることを前提とした計画ではなくて、全国一律の制度の中に入れこまれたとしてもやっていけるんだという気概がないと、沖縄県はこれからもずっと沖縄振興特別措置法を求め続けることになってしまいます。いつまでも『償いの心で沖縄に接するべきだ』と、沖縄の人自身が考えるのは良くないと思います」

―知事に求められるのはどのような能力であるべきですか。

「(保健医療部長として)はたから見ていて、玉城デニー知事には構想力と交渉力が全然足りませんでした。例えば、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題にしても『対話で解決する』ということを繰り返すばかりで、どういうシナリオで解決に向かうのかという部分がありません。これは、仕事のやり方としては簡単なやり方です。国と裁判するにしても、弁護士に委託料を払えば済む話です。本当に辺野古移設を止めるために、相手をテーブルに着かせて交渉するためにしっかりと手立てを考えているのかが疑問です」

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